インターバルトレーニングのやり方|ランニング初心者の距離・本数・ペース・回復を研究から解説

インターバルトレーニングのやり方|ランニング初心者の距離・本数・ペース・回復を研究から解説

最終更新: 2026年10月6日

インターバルトレーニング(インターバル走)とは、ランニングで速く走る区間と、歩きやジョグで息を整える区間を交互に繰り返す練習です。初心者は400m×4〜5本・間に2分の歩きから、週1回で始めるのが本サイトの勧め方です。研究では、4分×4本のインターバル走が、同じ量をゆっくり走るより最大酸素摂取量を大きく伸ばしました。

この記事の要点

  1. 1本の長さで狙いが変わります。3〜5分の長めの反復を使った研究で、最大酸素摂取量が大きく伸びる傾向が報告されています(持続走と組み合わせた研究を含む)
  2. ペースは「最後の1本も同じ速さで走れる」が基準です。鍛えたランナーの研究では、回復を2分より延ばしても速さはほぼ変わりませんでした
  3. 週1回、多くても2回にとどめ、残りはゆっくり走る日にします。走る量を急に増やさないこともけがの予防になります
この記事の内容

インターバルトレーニング(インターバル走)とは何ですか?

インターバルトレーニングは、きつい区間と回復の区間を交互に行う練習の総称です。総説では、1本の長さ・強度、回復の長さ・強度、本数など9つの要素を組み合わせて設計するとされています。ランニングでは、距離か時間で1本を区切るのが一般的です。

種類1本の長さの例主な狙い
短い反復45秒未満(例: 100〜200m)心肺も伸びるが、速く走るぶん脚への負担は大きめ
長い反復2〜4分(例: 400〜800m)最大酸素摂取量(心肺の上限)を伸ばす研究が多い

短い反復と長い反復の区分は、Buchheit・Laursenの総説(2013)に基づきます。距離の例は、初心者のペースに合わせて本サイトが置き換えたものです。回復の長さ・強度も設計要素の1つで、どちらを選ぶかで同じ1本でもきつさが変わります。

自転車やバーピーで行う20秒・10秒のような形は、HIITとは?効果・タバタ式との関係で扱っています。本記事はランニングに絞ります。

インターバル走にはどんな効果がありますか?

同じ量をゆっくり走るより、心肺の上限が伸びる

ある程度運動している男性40人を4つの組に分け、週3回・8週間走った研究があります。4つの組は、練習で使う酸素の総量がそろえてありました。

組内容最大酸素摂取量
ゆっくり長く最大心拍数の70%で走る下の2組より伸びが小さい
閾値走最大心拍数の85%で走る下の2組より伸びが小さい
15秒×15秒15秒速く(最大心拍数の90〜95%)・15秒ゆっくり(70%)5.5%上昇
4分×4本4分速く(90〜95%)・3分ゆっくり(70%)7.2%上昇

同じ量を走っても、速い区間を挟んだ2組のほうが大きく伸びました。心臓が1回に送り出す血液の量も、インターバルの組で約10%増えています。

長めの反復で伸びが大きい傾向

運動習慣のない人や軽く運動している人を対象にした37件のメタ分析では、インターバル練習で最大酸素摂取量が平均0.51L/分上がりました。そのうち3〜5分の長めの反復を使った9件では、0.8〜0.9L/分ほどの伸びでした。ただし37件全体、9件とも、持続的な運動と組み合わせた練習を含みます。

記録の伸びは、鍛えていない人ほど大きい

距離を決めたタイムトライアルの記録を調べたメタ分析では、鍛えている人の伸びは約2%でした。運動習慣が少ない人では最大で約6%伸びています。初心者ほど伸びしろが大きい傾向です。

初心者は何m×何本から始めればいいですか?

下の表は、上の研究の傾向をもとに本サイトがまとめた段階の例です。研究で決まった基準ではありません。

段階1本本数回復次へ進む目安
1400m(または2分)4〜5本2分歩く2回続けて、最後の1本も最初と同じペースで走れる
2800m(または4分)3〜4本2分歩くかジョグ2回続けて全本数を同じペースで走れる
31000m4〜5本2〜3分ジョグこの表の到達目標

前後には10分ほどのゆっくりしたジョグを入れます。トラックがない場合は、時間で区切っても構いません。いきなり段階3から始めず、1つ前の段階を2〜3回こなしてから進んでください。8週間で練習全体に組み込む例はハイロックス完走のための8週間トレーニングプランにあります。

ペースはどう決めればいいですか?

感覚で決める

初心者には感覚の基準が使いやすい方法です。本サイトは、速い区間の終わりに、話そうとしても短い言葉しか出ない程度を目安にしています。最後の1本が最初の1本より明らかに遅くなったら、入りが速すぎます。次回は全体を少し落としてください。

心拍数で決める

4分×4本の研究では、速い区間を最大心拍数の90〜95%に設定していました。最大心拍数は「208−0.7×年齢」で推定できます。40歳なら推定180拍で、90〜95%は162〜171拍です。

ただし推定式には個人差があり、実際の最大心拍数とずれることがあります。心拍計の数字だけで決めず、感覚と合わせて使ってください。400mのような短い1本では、心拍が上がりきる前に終わる点にも注意が要ります。

回復は止まる・歩く・ジョグのどれがいいですか?

回復の長さは2分前後

よく鍛えたランナー9人が、4分×6本を全力に近いペースで走った研究があります。回復を1分から2分に延ばすと速さはわずかに上がりましたが、4分に延ばしても、それ以上は速くなりませんでした。回復の長さを自分で決めた回では、平均約2分を選んでいます。

止まるか、動き続けるか

15秒の高強度の運動と15秒の回復を繰り返した研究では、回復中に止まった場合、疲れ切るまでの時間が約16分でした。軽く動き続けた場合は約7分です。回復中に止まるほうが、本数をこなしやすいという結果です。ただしこの研究は15秒の高強度の運動を短い間隔で繰り返す形で、初心者の400m×4〜5本とは条件が違います。

一方、4分×4本の研究は、回復中も最大心拍数の70%で動き続け、心拍を高めに保ったまま次の1本に入る形でした。本サイトは、初心者は歩いて回復して本数をこなすことを優先し、慣れてきたらジョグに変えて4分×4本の研究に近い形へ進める順番を勧めます。

週に何回やればいいですか?

本サイトは、初心者は週1回、多くても2回を勧めます。インターバル走の日は連続させず、他の日はゆっくり走る日か休みにします。

持久系の一流選手の練習を調べた総説では、練習の約80%が低い強度で、高い強度は約20%でした。週10〜13回練習する選手の数字です。本サイトは、きつい練習を少なく保つこの考え方を初心者にも当てはめて、週1〜2回を勧めています。

走り始めの初心者874人を1年追った研究では、2週間で走る距離を30%超増やした人に、ひざの痛みなど距離に関係するけがが多い傾向がありました。統計的にははっきりしない探索的な結果です。インターバル走を加えた週も、走る総距離を急に増やさないようにしてください。

ハイロックスではどこで効きますか?

ハイロックス(HYROX)は、1kmのランと8種目を交互に8回繰り返すフィットネスレースです。ランは合計8kmで、第三者集計では平均的な選手は1本目から8本目で1kmあたり約1分30秒遅くなります。

1000mのインターバル走は、距離が本番の1区間と同じです。ただし本番ではランの間に休みがなく種目が入るので、種目の直後に走るブリック練習と組み合わせると本番に近づきます。1本ごとのペースを記録して落ち始める本数を確かめる使い方は、下のペース配分の記事で紹介しています。

目標タイムから1本目のペースを逆算する方法はハイロックスのラン強化とペース配分戦略で扱っています。練習全体の組み立てはハイロックスのトレーニング完全ガイドを軸にしてください。

インターバル走の注意点・向かない人・限界は?

持病がある人。 インターバル走は高い強度の運動です。心臓病や高血圧などを指摘されたことがある人は、始める前に医師に相談してください。

走る土台がまだない人。 速く走る区間は、ふだんより脚への衝撃が大きくなります。総説も、速い速度での練習は筋肉や骨・腱への負担が大きいと指摘しています。30分程度を続けて走れるようになってから加えるのが本サイトの勧め方です。

痛みがある人。 すねやひざ、アキレス腱に痛みがある日は中止します。痛みを抱えたまま本数を重ねないでください。

研究の限界。 本記事で取り上げた研究は、若い男性や数週間の短い期間が中心です。鍛えている人ほど伸びは小さくなります。また、本記事の研究は、長い距離を走り切る力までは調べていません。

よくある質問

Q1: インターバル走とHIITは何が違いますか?

A: どちらも、きつい区間と回復を繰り返す練習です。HIITは自転車や自重種目も含む広い言葉で、インターバル走はその中のランニングで行う形です。HIIT全般の効果はHIITの記事にまとめています。

Q2: トレッドミルでもできますか?

A: できます。回復の長さを調べた研究も、トレッドミルで行われていました。速度を機械で固定できるので、ペースがばらつきにくい利点があります。

Q3: どれくらいの期間で効果が出ますか?

A: 4分×4本の研究は、週3回・8週間で最大酸素摂取量が7.2%上がりました。ただし伸び方には個人差があります。

Q4: 毎日やってもいいですか?

A: 勧めません。本サイトは週1回、多くても2回を勧めます。疲れが残ったまま続けると、ペースを保てず、けがにもつながりやすくなります。

Q5: トラックがなく、距離が測れません。

A: 時間で区切れば十分です。400mの代わりに2分、800mの代わりに4分を目安にします。

Q6: インターバル走以外の日は、どれくらいの強さで走ればいいですか?

A: 4分×4本の研究で比べられた「ゆっくり長く走る」組は、最大心拍数の70%で走っていました。40歳なら推定最大心拍数180拍の70%で、約126拍です。会話ができる程度のゆっくりしたペースが目安になります。

まとめ

インターバルトレーニングは、速く走る区間と回復を交互に繰り返す練習です。同じ量をゆっくり走るより最大酸素摂取量が伸びやすく、3〜5分の長めの反復で大きく伸びる傾向があります。

初心者は400m×4〜5本・2分歩く形を週1回から始め、1000m×4〜5本を到達目標にしてください。ペースは最後の1本まで同じ速さで走れることが基準です。ハイロックスに向けた練習全体はハイロックスのトレーニング完全ガイド、ランのペース配分はハイロックスのラン強化とペース配分戦略で確認できます。


※本サイトはハイロックス(HYROX)の非公式のファンサイトです。HYROXおよび関連する名称・ロゴは HYROX World GmbH の商標であり、本サイトは同社およびその関連会社とは一切関係がありません。大会日程・ルール・料金は変更される場合があります。最新かつ正確な情報は公式サイトをご確認ください。

※本記事は医療・健康上の助言ではありません。持病のある方、体調に不安のある方は医師に相談のうえ運動してください。記載の距離・本数・回数は一般的な目安で、個人の状態に応じた処方ではありません。

※本記事は次の資料に基づきます。ランのペース低下は HyroxDataLab による公開リザルトの第三者集計で、HYROX公式が発表した数値ではありません。

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