ランジのやり方|効く筋肉・回数の目安・種類の違いを研究から解説

ランジのやり方|効く筋肉・回数の目安・種類の違いを研究から解説

最終更新: 2026年10月2日

ランジとは、片脚を前か後ろへ踏み出して腰を落とし、元の姿勢に戻る下半身のトレーニングです。主に太ももの前(大腿四頭筋)、お尻(大臀筋)、太ももの裏(ハムストリングス)、内もも(内転筋)が働きます。初心者の目安は8〜12回で限界になる負荷で1〜3セット、週2〜3日です。膝の負担を抑えるには、歩幅を狭くしすぎないことが基本になります。

この記事の要点

  1. 筋電図の研究で、ランジでは大腿四頭筋・ハムストリングス・内転筋・大臀筋が働くことが確認されています。歩幅を広げるとこれらの活動は大きくなります
  2. 回数とセットの目安は、米国スポーツ医学会(ACSM)の初心者向け指針と厚生労働省のガイドにもとづき、8〜12回×1〜3セットを週2〜3日です
  3. 種類によって負担のかかり方が変わります。膝に不安があるなら、フロントランジよりリバースランジから始める方法があります
この記事の内容

ランジはどこの筋肉に効きますか

2025年に発表された筋電図の研究では、20人がダンベルを持って前へ踏み出すランジを行い、下半身9か所の筋活動を測りました。歩幅が広いほど、太ももとお尻の筋活動が大きくなりました。差が出たのは大腿四頭筋(外側広筋・内側広筋)・ハムストリングス・内転筋・大臀筋などです。

部位主な筋肉ランジでの役割
太ももの前大腿四頭筋膝を伸ばして立ち上がる
お尻大臀筋股関節を伸ばして体を押し上げる
太ももの裏ハムストリングス股関節を伸ばす動きを助ける
内もも内転筋脚の付け根を支える
お尻の横中臀筋片脚に体重が乗ったとき骨盤を支える

大臀筋については、筋電図研究をまとめた2020年の系統的レビューが、一般的なランジを「非常に高い活動(最大努力で力を入れたときの60%超)」に分類しています。

同じランジでも、上体の角度で比重が変わります。10人を対象にした研究では、上体を前に傾けると大臀筋と太もも裏の筋活動が増えました。お尻と太もも裏をより使いたいときは、上体を軽く前に傾ける形が選択肢になります。

正しいやり方は?足幅・膝の位置・上体の角度の決め方

基本のフロントランジの手順です。

  1. 足を腰幅に開いてまっすぐ立ちます。手は腰に当てます
  2. 片脚を大きく前へ踏み出します
  3. 上体を起こしたまま、真下へ腰を落とします。後ろの膝を床の少し上まで下ろします
  4. 前足の足裏全体で床を押し、踏み出した脚を戻して元の姿勢に戻ります
  5. 左右を入れ替えて同じ回数を行います

迷いやすい4か所の目安は次のとおりです。

項目目安
左右の足幅腰幅を保つ。一本の線の上に足を並べない
前後の歩幅腰を落としたとき、前後の膝がおよそ直角に曲がる幅
前の膝つま先と同じ方向に向ける。内側に入れない
上体垂直からやや前傾まで。背中は丸めない

歩幅には根拠があります。前へ踏み出すランジの研究では、深くしゃがんだ局面で、狭い歩幅のほうが膝のお皿の裏にかかる力が大きくなりました。膝が前へ大きく突き出るほど歩幅が狭いなら、少し広げてください。

回数・セット数・頻度の目安は?

ACSMの指針(2009年)と、厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」の数値をまとめました。

項目初心者の目安出典
1セットの回数8〜12回で限界になる負荷ACSM
セット数1〜3セットACSM
頻度週2〜3日ACSM・厚生労働省
セット間の休憩1〜2分(重い負荷なら2〜3分)ACSM

ACSMの「8〜12回」は、8〜12回で限界になる重さを使うという意味です。自重のランジで12回が楽にできるなら、ダンベルを持つ、下ろす動作をゆっくりにする、といった方法で負荷を上げます。ACSMは、目標より1〜2回多くできる日が2回続いたら、負荷を2〜10%上げる進め方を示しています。左右それぞれ同じ回数を行うのは、本サイトの勧め方です。

厚生労働省のガイドは、腕立て伏せやスクワットのような自重の運動も筋力トレーニングに含めています。週2〜3日という推奨値は、休息日を入れることを前提に設定されています。

フロント・リバース・ウォーキングなど、種類で何が違いますか

種類動き特徴
フロントランジ前へ踏み出して戻る股関節・膝・足首とも負荷が大きい
リバースランジ後ろへ脚を引いて戻る膝への負荷を抑えやすい
ステーショナリーランジ足を前後に開いたまま上下する踏み出しが無く、動作を覚えやすい
ウォーキングランジ踏み出しを続けて前へ進む連続で行う。前方のスペースが要る
サイドランジ横へ踏み出す内ももが伸びる。深くしゃがむと膝の負担は前より大きい

2015年の研究(男性9人)では、股関節の負荷はフロントランジがリバースランジより大きくなりました。同じ研究は、膝と足首への負荷を段階的に上げる順番として、リバースランジからフロントランジへ進むことを提案しています。

踏み出す動作の有無でも差が出ます。浅い角度では、踏み出しありのランジのほうが膝のお皿の裏にかかる力が大きくなりました。サイドランジは、深い角度で前へのランジより膝のお皿の裏の負担が大きいという報告があります。初心者はステーショナリーかリバースから始め、慣れてからフロントやウォーキングに進むと負担を段階的に増やせます。

よくあるフォームの間違いと、膝の負担を抑えるコツは?

よくある間違い直し方
歩幅が狭く、前の膝が大きく前へ出る歩幅を広げ、真下へ腰を落とす
前の膝が内側に入る足幅を腰幅に戻し、膝とつま先の向きを揃える
前足のかかとが浮く足裏全体で床を押して立ち上がる
後ろの膝を床に打ちつける床の手前で止める位置を決めて下ろす
反動で勢いよく戻る下ろす動作と戻る動作を同じ速さで行う

ACSMは、初心者に遅い〜中程度の動作速度を勧めています。勢いで回数を稼ぐより、1回ずつ止められる速さで行うほうが、フォームの崩れに気づけます。

膝に違和感が出たら、深さを浅くするか、リバースやステーショナリーに替えてください。痛みが続く場合は中止し、医師や理学療法士に相談してください。

ハイロックスではどこで効きますか

ハイロックス(HYROX)は、1kmのランと8種目を交互に行うフィットネスレースです。ランジは2つの場面で使われます。

場面内容
Sandbag Lunges(サンドバッグランジ)7種目め。サンドバッグを両肩に担いで100mをランジで進む
HYROXフィジカルフィットネステスト(PFT)公式の実力診断。ステーショナリーランジを100回行う

本番の動作基準は、ジムで一般的なランジと違います。各ランジで後ろ膝を床にはっきり接触させる必要があり、毎回膝と股関節を伸ばし切って直立します。左右交互が必須で、レップの間のステップは認められていません。

膝が床につかない、または直立していないと判定されると、1回目は警告で、2回目以降は1回につき15秒が加算されます。重量はウィメンズ10kg、メンズとウィメンズプロ20kg、メンズプロ30kgです。担ぎ方やレースでの配分はSandbag Lunges(サンドバッグランジ)攻略、器具なしの練習は自宅だけでハイロックスに備えるトレーニングにまとめています。練習全体の組み立てはハイロックスのトレーニング完全ガイドを参照してください。

ランジが向かない人や、ランジの限界は?

膝・股関節・腰に痛みがある人。 ランジは片脚に体重が大きく乗る種目です。痛みがあるまま回数を重ねないでください。持病や手術歴がある場合は、始める前に医師に相談してください。

バランスに不安がある人。 壁や椅子に片手を添えて、ステーショナリーランジから始めると転倒の心配を減らせます。

太ももだけを細くしたい人。 片脚だけをレッグプレスで12週間鍛えた研究(11人)では、鍛えた脚の脂肪量は有意に変わらず、減ったのは腕と体幹でした。ランジで太ももだけを細くできるとは言えません。

心肺機能を高めたい人。 ランジは脚の筋力の種目です。走る力は別に鍛える必要があります。

よくある質問

Q1: ランジとスクワットは何が違いますか?

A: スクワットは両脚で同時に体を上下させます。ランジは脚を前後に開き、片脚に体重を多く乗せて行います。左右を別々に動かすため、左右差に気づきやすい種目です。

Q2: 膝はつま先より前に出てはいけませんか?

A: 禁止ではありません。ただしダンベルを持ったランジの研究では、膝がつま先より前に出る狭い歩幅のほうが、深くしゃがんだときに膝のお皿の裏の負担が大きくなりました。膝が大きく前に出るなら、歩幅を少し広げてください。

Q3: ランジは毎日やってもいいですか?

A: 初心者は休息日を入れて週2〜3日が目安です。

Q4: 自重で物足りなくなったらどうすればいいですか?

A: ダンベルを両手に持つ、下ろす動作をゆっくりにする、といった方法で負荷を上げます。

Q5: ハイロックスの練習では膝を床につけるべきですか?

A: 本番のサンドバッグランジでは、後ろ膝が床に明確に接触しないとノーレップになり、2回目以降は1回15秒が加算されます。本番を想定した練習では床につける形で行い、普段の筋力トレーニングでは床の手前で止める形でも構いません。

まとめ

ランジは、片脚を踏み出して腰を落とし、元に戻る下半身の種目です。大腿四頭筋・大臀筋・ハムストリングス・内転筋が働き、歩幅を広げるとこれらの活動は大きくなります。

やり方の目安は、足幅を腰幅に保ち、前後の膝がおよそ直角になる歩幅で、前の膝をつま先と同じ向きに保つことです。初心者は8〜12回で限界になる負荷で1〜3セット、週2〜3日から始めてください。膝に不安があるならリバースランジかステーショナリーランジが入口になります。

ハイロックスを目指す場合は、後ろ膝を床につける本番の基準をSandbag Lunges攻略で確認してください。ランと組み合わせた練習計画はハイロックスのトレーニング完全ガイドにまとめています。


※本サイトはハイロックス(HYROX)の非公式のファンサイトです。HYROXおよび関連する名称・ロゴは HYROX World GmbH の商標であり、本サイトは同社およびその関連会社とは一切関係がありません。大会日程・ルール・料金は変更される場合があります。最新かつ正確な情報は公式サイトをご確認ください。

※本記事は医療・健康上の助言ではありません。持病のある方、体調に不安のある方は医師に相談のうえ運動してください。記載の回数・セット数は一般的な目安で、個人の状態に応じた処方ではありません。

※本記事は次の資料に基づきます。サンドバッグランジの重量・動作基準・ペナルティは HYROX SINGLE RULEBOOK 26/27 によるもので、ルールブックは毎シーズン改訂されます。

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