最終更新: 2026年9月17日
バーピーブロードジャンプ(Burpee Broad Jump)は、ハイロックス(HYROX)の4種目めに行う80mの種目です。バーピーで胸を床につけ、立ち上がって両足で前方に跳ぶ動作を繰り返し、跳んだ距離だけ前に進みます。判定基準が細かく、初心者が最も減点されやすい種目です。動作を覚えているかどうかで、そのままタイムが変わります。
この記事の要点
- 距離は80mで、全ディビジョン共通です。重量の設定はありません
- 違反は1回につき15秒が加算されます。ペナルティ表のコード10に該当します
- 胸の接地、両足同時の踏み切りと着地、ステップを挟まないこと、この3点が中心の判定基準です
バーピーブロードジャンプの基本仕様
26/27シーズンのシングル用ルールブックに基づく仕様です。
| 項目 | WOMEN OPEN | MEN OPEN・WOMEN PRO | MEN PRO |
|---|---|---|---|
| 距離 | 80m | 80m | 80m |
| 重量 | なし | なし | なし |
| 回数 | 規定なし(80mを進み切るまで) | 規定なし | 規定なし |
重量差がないため、オープンとプロ、男女で条件が変わりません。そのぶん動作の正確さと体力がそのまま結果に出ます。
ジャンプ1回あたりの長さは自由です。回数が決まっているのではなく、80mを進み切るまで繰り返します。
レース全体のどこに位置するか
バーピーブロードジャンプは4種目めで、8種目のちょうど折り返し地点です。
| 直前 | 種目 | 直後 |
|---|---|---|
| スレッドプル →ラン4本目(1km) | バーピーブロードジャンプ 80m | ラン5本目(1km)→ ローイング |
ここまでで2種目め・3種目めのスレッドを終えていて、脚には相当な疲労が溜まっています。その状態で全身を床に下ろし、また立ち上がる動作を何十回も繰り返します。心拍が上がりきるため、直後の5本目のランが最も崩れやすい区間のひとつです。
第三者集計では、平均的な選手はラン1本目から8本目にかけておよそ1分30秒/kmペースが落ちます。その落ち込みが始まるのがこのあたりです。
所要時間の目安
HyroxDataLabが公開リザルトを集計した種目別タイム(ソロ395,452件、シーズン7・8)による数値です。HYROX公式は種目別の平均タイムを公表していません。
| 区分 | 上位10% | 上位25% | 中央値 | 下位25% | 下位10% |
|---|---|---|---|---|---|
| 男性 | 3:38 | 4:22 | 5:22 | 6:41 | 8:16 |
| 女性 | 4:22 | 5:13 | 6:24 | 7:59 | 10:00 |
男女計の平均は6分8秒、中央値は5分42秒です。8種目のうちウォールボール(平均7分28秒)に次いで2番目に時間を食う種目です。
差の大きさも顕著です。男性の上位10%と下位10%では4分38秒、女性では5分38秒の開きがあり、ウォールボールに次ぐ広さです。練習した分だけ返ってくる種目だと読み取れます。
フォームとテクニック
1. 胸を落とす動作を省略しない
バーピーの底で胸が床に明確に接触している必要があります。ルールブックは「胸」を乳頭ラインが床に明確に接触することと定義しています。腹や骨盤だけでは認められません。疲れてくると胸が浮きやすい部分です。
2. 立ち上がりに膝を使う
バーピーの底から出るとき、膝を床や手に当てて起き上がる動作は認められています。腕だけで押し上げるより体力を節約できるため、後半で効きます。
3. 跳ぶ距離を欲張らない
1回を長く跳ぶとレップ数は減りますが、着地の衝撃と立ち上がりの負担が増え、踏み切りと着地の精度も落ちます。中程度の距離を一定のリズムで刻むほうが、違反を避けながら進めます。
4. 手をつく位置を先に決める
2回目以降のバーピーでは、手を前足のつま先より前30cmを超えた位置に置いてはいけません。この30cmは手のひらの付け根、つまり手首との接合部から測ります。着地したら足元を見て、手をつく位置を確認してから下りると安定します。
5. 手をついたらずらさない
床に手をついたあと、その手を前にずらすことは認められていません。位置を決め直したい場合は、下りる前に判断します。心拍が上がり切る種目なので、1レップにつき呼吸を何回入れるかを先に決めておくとペースが安定します。
バーピーブロードジャンプの実際の動きは、HYROX公式が公開している8種目のデモ動画で確認できます。
よくある失敗とノーレップ対策
ルールブックの判定基準は具体的です。以下がそのまま減点の理由になります。
| 違反 | ルールブックの基準 |
|---|---|
| 胸が床につかない | 乳頭ラインが床に明確に接触していること |
| 片足ずつ踏み切る・着地する | 両足同時に踏み切り、同時に着地すること。前後のズレは最大5cmまで |
| 着地後にステップやシャッフルを挟む | 追加のステップやシャッフルは一切認められません |
| 立ち上がるときに足が前に出すぎる | 足が指先を越えてはいけません(オーバーステップ) |
| 手を前に置きすぎる | 2回目以降、前足のつま先より前30cmを超えないこと |
| 手をついてから前にずらす | 手をついたあとのずらしは不可 |
| 区間の白線を越え切っていない | 各セクション終端の白線は両足が完全に越えること |
| フィニッシュラインを踏む | 片足でも乗ったら、もう1回バーピーブロードジャンプをやり直します |
折り返し地点では回り込む動作は不要です。ただし白線の扱いは上記の通り厳密なので、最後の1回は特に慎重に位置を取ります。
ペナルティの仕組み
バーピーブロードジャンプの違反は、ペナルティ表のコード10で1回につき15秒と整理されています。ペナルティは最終タイムへの加算として処理されます。「ペナルティボックスで待たされる」という運用は、26/27シーズンのルールブックには出てきません。
この種目も種目1から7の3段階プロトコルの対象です。1回目の違反は正式な警告、2回目はそのレップの無効と15秒のペナルティ、3回目以降は警告なしで1回ごとに15秒が加算されます。ただし重大な違反は警告なしで即ペナルティになり得ます。
実用上は「胸が床につかない・両足同時でない・ステップを挟む」の3つを避ければ大きな減点は防げます。ペナルティ全体の一覧はハイロックスのルール完全ガイドにまとめています。
この種目のための練習方法
ジムでできること
必要なのは床の直線スペースだけで、器具は要りません。
- 20mを1セットとして、4セットで80mを再現します。折り返しを含めると本番のレーン構成に寄ります
- 1kmのランを挟んでから行う組み合わせを一度は経験しておきます。心拍が上がった状態の動作は平常時と別物です
- 動画を撮って胸の接地を確認します。自分では触れているつもりでも浮いていることが多い部分です
自宅でできること
自宅でも取り組みやすい種目です。ただし80mを直線で確保できる住環境は限られます。その場合はバーピーとブロードジャンプを分け、バーピーは回数、ジャンプは短距離の反復で積み上げます。着地の衝撃が大きいため、階下への振動と床材への配慮が必要です。
練習しても再現できない部分
判定の厳密さは練習では体験できません。自分では胸がついているつもりでも、ジャッジの目で見ると浮いているという差は本番でしか分かりません。動作を「ぎりぎり満たす」のではなく、明らかに満たす余裕を持って練習しておくと当日の判定で揉めずに済みます。トレーニング全体の組み立てはハイロックスのトレーニング完全ガイドを参考にしてください。
よくある質問
Q1: 回数は決まっていますか?
A: 決まっていません。80mを進み切るまで繰り返します。ジャンプ1回あたりの長さは自由なので、回数は選手によって変わります。
Q2: 着地で片足が少し前に出てしまいました。ノーレップですか?
A: 前後のズレは最大5cmまで認められています。5cmを超えるスタッガー(ずれ)は認められません。感覚としては「両足が揃った」と見える範囲に収める必要があります。
Q3: 疲れて着地後に一歩踏み直してしまいます。だめですか?
A: 追加のステップやシャッフルは一切認められていません。踏み直すくらいなら、着地したその場で止まって呼吸を整えるほうが安全です。止まること自体にペナルティはありません。
Q4: フィニッシュラインを踏んでしまったらどうなりますか?
A: 片足でも乗った場合、もう1回バーピーブロードジャンプをやり直します。最後の1回は着地位置に余裕を持たせてください。
Q5: 制限時間はありますか?
A: ありません。HYROX公式は「タイム制限も参加資格もない」という立場を示しています。時間がかかっても、動作を正しく行い切ることが優先されます。
まとめ
バーピーブロードジャンプは4種目めの80mで、全ディビジョン共通の条件です。第三者集計では中央値が男性5分22秒・女性6分24秒、ウォールボールに次いで2番目に時間を食う種目です。胸の接地、両足同時の踏み切りと着地、ステップを挟まないこと、この3点を守れば1回15秒の加算は避けられます。
8種目の距離・重量・順番はハイロックス8種目一覧にまとめています。競技のルールや出場方法はハイロックスとは?完全ガイドから確認してください。
ペナルティと失格の全体像はハイロックスのルール完全ガイド、この種目より時間を食う唯一の種目はWall Balls(ウォールボール)攻略、練習計画はハイロックスのトレーニング完全ガイドで扱っています。
※本サイトはハイロックス(HYROX)の非公式情報メディアです。HYROXおよび関連する名称・ロゴは HYROX World GmbH の商標であり、本サイトは同社およびその関連会社とは一切関係がありません。大会日程・ルール・料金は変更される場合があります。最新かつ正確な情報は公式サイトをご確認ください。
※本記事は医療・健康上の助言ではありません。持病のある方、体調に不安のある方は医師に相談のうえ運動してください。
※本記事の動作基準とペナルティは HYROX SINGLE RULEBOOK 26/27 に基づきます。ルールブックは毎シーズン改訂されるため、最新版で再確認してください。種目別タイムは HyroxDataLab による公開リザルトの第三者集計で、HYROX公式が発表した数値ではありません。
