Sled Push(スレッドプッシュ)攻略|姿勢と足の使い方

Sled Push(スレッドプッシュ)攻略|姿勢と足の使い方

最終更新: 2026年9月17日

スレッドプッシュ(Sled Push)は、ハイロックス(HYROX)の2種目めに行う、そりを押して合計50mを進む種目です。12.5mのレーンを4本、折り返しながら押し切ります。難所は筋力よりも姿勢で、上体が起きた瞬間にそりが止まります。重量表記が「そり本体を含む総重量」である点も、誤解が広がりやすいところです。

この記事の要点

  1. 重量はそり込みの総重量です。WOMEN OPENが102kg、MEN OPEN・WOMEN PROが152kg、MEN PROが202kgです
  2. 距離は50mで、12.5m×4本の構成です。レーン数が足りないと失格になります
  3. 上体を低く保ち、腕を伸ばし切ったまま小刻みに足を送る押し方が基本です
この記事の内容

スレッドプッシュの基本仕様

26/27シーズンのシングル用ルールブックに基づく仕様です。

項目WOMEN OPENMEN OPEN・WOMEN PROMEN PRO
距離50m(4×12.5m)50m(4×12.5m)50m(4×12.5m)
重量102kg(そり込み)152kg(そり込み)202kg(そり込み)

重量は「そり込みの総重量」です

ここが最も誤解されている点です。ルールブックの表記は 102KG INCL. SLED で、INCL. SLED は「そりを含む」という意味です。つまりプレートを102kg載せるのではなく、そり本体とプレートを合わせて102kgになります。日本語の解説記事には取り違えているものがあるため、練習で重りを積むときは注意してください。

MEN OPENとWOMEN PROは同じ重量です

ルールブックの表は3列構成で、真ん中の列が MEN OPEN / WOMEN PRO として統合されています。女子プロは男子オープンと同じ152kgを押します。性別で常に軽くなるわけではありません。

動作の基準

  • レーンはジャッジが指定します。自分で選ぶことはできません
  • スタート時点で、そりと選手の両方が完全にレーサーズボックス内に入っている必要があります
  • そり全体が12.5mのラインを完全に越えてから方向転換します。先端だけ越えた状態で折り返すと認められません
  • チョークの使用が認められているのはスレッドプルとファーマーズキャリーだけです。スレッドプッシュでは使えません

レース全体のどこに位置するか

スレッドプッシュは2種目めです。

直前種目直後
ラン2本目(1km)→ スキーエルゴ後のランスレッドプッシュ 50mラン3本目(1km)→ スレッドプル

まだ序盤で体力は残っています。それでも押し切った直後は脚全体、特に大腿四頭筋とふくらはぎに強い張りが出ます。そこから1kmのランに入り、さらに3種目めのスレッドプルへ進みます。

つまりスレッドプッシュの負荷は、自分のタイムだけでなく直後のランのペースに跳ね返ります。押すこと自体を目的にせず、その後のランまで含めて設計する必要があります。

所要時間の目安

HyroxDataLabが公開リザルトを集計した種目別タイム(ソロ395,452件、シーズン7・8)による数値です。HYROX公式は種目別の平均タイムを公表していません。

区分上位10%上位25%中央値下位25%下位10%
男性2:152:353:043:434:34
女性2:072:282:553:324:21

男女計の平均は3分15秒、中央値は3分1秒です。8種目のうち、ファーマーズキャリー(平均2分22秒)に次いで短い種目です

一方で、上位10%と下位10%の差は男性で2分19秒あります。押し方と姿勢で結果が変わる種目だと読み取れます。

なお、そりの重量は全会場で同じですが、押したときの体感は一定ではありません。ハイロックスは展示ホールなどの屋内会場で開催され、床面やレーンの状態は会場ごとに異なります。他会場のタイムをそのまま目標にするのは避けたほうが安全です

フォームとテクニック

1. 上体を低く保つ

そりを前に進める力は、体を斜めに倒して地面を後ろに押す動きから生まれます。上体が起きると力が上向きに逃げ、そりが止まります。頭からかかとまでが一直線の斜めになるイメージが目安です。

2. 腕は伸ばし切る

肘を曲げて抱え込むと、腕と肩で重量を支えることになり、そこから先に脚の力が伝わりません。腕は突っ張り棒として使い、曲げ伸ばしをしないのが基本です。ハンドルを握り込みすぎると前腕も消耗します。

3. 歩幅は小さく、接地を増やす

大股で進もうとすると、片足が浮いている時間が長くなり、その間にそりが減速します。一度止まったそりを再び動かすには大きな力が必要です。歩幅を小さくして接地の回数を増やし、そりを止めないほうが結果的に速く進みます。

4. 止まるなら折り返しで止まる

レーンの途中で止まると、再始動に余分な力を使います。息を整えるなら、どのみち方向転換で減速する折り返し地点にまとめるほうが損失が小さくなります。静止状態から動かす最初の数歩は特に低く構え、一度動き出したら惰性を殺さないことに集中します。

スレッドプッシュの実際の動きは、HYROX公式が公開している8種目のデモ動画で確認できます。

HYROX公式「HYROX Exercise Demo」(英語・2021年公開)。8種目を順に紹介しています。重量や動作の基準は改定されることがあるため、最新の内容は公式ルールブックで確認してください

よくある失敗とノーレップ対策

スレッドプッシュにはウォールボールのようなレップ判定はありませんが、ルール上の失敗は重い結果につながります。

失敗何が起きるか対策
レーン数が足りない失格(DQ)。ペナルティ表のコード09に該当します4本という本数を自分で数えます。会場表示は補助でしかありません
そり全体が線を越える前に折り返す違反として扱われますそりの後端まで見てから方向転換します
スタート時にそりや足がボックスから出ている違反として扱われますスタート合図の前に位置を確認します
チョークを使う目的外使用で2分のペナルティですチョークが使えるのはスレッドプルとファーマーズキャリーだけです
押し終えた直後に走れないタイム上の大きな損失になります練習で「押した直後に走る」組み合わせを経験しておきます

種目1から7には3段階プロトコルが適用されます。1回目の違反は正式な警告、2回目はそのレップの無効と15秒のペナルティ、3回目以降は1回ごとに15秒が加算されます。ペナルティは最終タイムへの加算として処理されます

この種目のための練習方法

ジムでできること

そりがある施設なら、実物で押すのが最短です。重量はそり込みの総重量で合わせます。本番と同じ重さで50mを通す練習と、軽くして動きの速さを保つ練習を分けると組み立てやすくなります。

そりが無いジムのほうが日本では一般的です。その場合は、レッグプレスやスプリットスクワットなど脚の押し出す力を鍛える種目、傾斜をつけたトレッドミルでの速歩、壁に手をついた前傾姿勢での連続ステップなどで代替します。詳しくは普通のジムでできるハイロックス対策にまとめています。

自宅でできること

自宅での完全な代替はできません。ここは正直に書いておきます。100kgを超える重量を前に押す動作は、自重や軽いダンベルでは再現できないためです。カーフレイズやブルガリアンスクワット、前傾を保つ体幹種目は姿勢の準備になりますが、本番の感覚はそりのある施設でしか確認できません

練習しても再現できない部分

床面の状態や重量配分の感触は、実際の会場でしか分かりません。当日は最初のレーンで様子を見て、そこからペースを決める進め方が現実的です。事前に目標タイムを固めすぎないほうが安全です。

よくある質問

Q1: 102kgのプレートを載せるという理解で合っていますか?

A: 合っていません。ルールブックの表記は INCL. SLED で、そり本体を含めた総重量が102kgです。練習で再現する場合は、使うそりの自重を差し引いてプレートを載せてください。

Q2: 女子プロは男子オープンより軽いですか?

A: 同じです。ルールブックの表は真ん中の列が MEN OPEN / WOMEN PRO に統合されていて、どちらも152kgを押します。

Q3: 距離は「2×25m」と書いてある記事もあります。どちらが正しいですか?

A: ルールブックの正式表記は50m=4×12.5mです。公式サイトのマーケティング向けページでは25m表記が使われることもありますが、合計50mという点はどちらも変わりません。

Q4: そりが動かなくなったらどうすればいいですか?

A: 制限時間はないため、止まっても失格にはなりません。姿勢を作り直して押し始めます。ただし静止状態からの再始動が最も力を使うので、止まる回数を減らす押し方が結果的に楽になります。

Q5: 手が滑ります。チョークは使えますか?

A: 使えません。チョークが認められているのはスレッドプルとファーマーズキャリーだけで、目的外の使用は2分のペナルティです。グローブは認められた装備なので、そちらで対応します。

まとめ

スレッドプッシュは2種目めの50m(4×12.5m)で、重量はそり込みの総重量です。WOMEN OPENが102kg、MEN OPEN・WOMEN PROが152kg、MEN PROが202kgになります。低い姿勢、伸ばしたままの腕、小刻みな歩幅が押し切るための基本で、レーン数の数え間違いだけは失格につながります。

8種目の距離・重量・順番の全体像はハイロックス8種目一覧にあります。競技のルールや出場方法はハイロックスとは?完全ガイドから確認してください。

次の種目についてはSled Pull(スレッドプル)攻略を、そりが無い環境での練習は普通のジムでできるハイロックス対策ハイロックスのトレーニング完全ガイドを参考にしてください。


※本サイトはハイロックス(HYROX)の非公式情報メディアです。HYROXおよび関連する名称・ロゴは HYROX World GmbH の商標であり、本サイトは同社およびその関連会社とは一切関係がありません。大会日程・ルール・料金は変更される場合があります。最新かつ正確な情報は公式サイトをご確認ください。

※本記事は医療・健康上の助言ではありません。持病のある方、体調に不安のある方は医師に相談のうえ運動してください。

※本記事の種目仕様は HYROX SINGLE RULEBOOK 26/27 に基づきます。ルールブックは毎シーズン改訂されるため、重量とペナルティは最新版で再確認してください。種目別タイムは HyroxDataLab による公開リザルトの第三者集計で、HYROX公式が発表した数値ではありません。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

この記事の内容