フロントスクワットのやり方|バーの持ち方・バックスクワットとの違い・手首がつらいときの対処を研究から解説

フロントスクワットのやり方|バーの持ち方・バックスクワットとの違い・手首がつらいときの対処を研究から解説

最終更新: 2026年10月16日

フロントスクワットとは、バーベルを肩の前側と鎖骨の上に乗せて行うスクワットです。肘を前へ高く上げてバーを肩で支え、上体を起こしたまま真下へしゃがみます。主に太ももの前とお尻に効きます。研究では、バックスクワットと同程度の筋活動を、膝への圧縮力が小さい状態で得られました。手首がつらいときは、腕を交差する持ち方かストラップに替えられます。

この記事の要点

  1. バーは手で握って支えるのではなく、肩の前に乗せて肘の高さで保ちます。肘が下がるとバーが前へ転がります
  2. 15人の研究では、筋活動はバックスクワットと同程度で、膝の圧縮力は小さくなりました。12人の研究では、上体の前傾も小さくなりました
  3. 手首が反りきらない人は、腕を胸の前で交差する持ち方かストラップを使えます。ハイロックスでは Wall Balls(ウォールボール)の姿勢づくりにつながります
この記事の内容

バックスクワットと何が違いますか

違いはバーの位置で、上体の角度と膝の負担が変わります。

項目フロントスクワットバックスクワット
バーの位置肩の前側と鎖骨の上背中の上部(肩の後ろ)
上体起きやすい前に傾きやすい
膝の圧縮力(研究)小さかった大きかった
柔らかさ手首・肘の柔らかさも要る肩の柔らかさが中心

筋トレ経験のある15人が両方を行った2009年の研究では、筋活動に差はありませんでした。一方で、膝にかかる圧縮力と、膝を伸ばす力のモーメントはフロントのほうが小さくなりました。膝に不安のある人や、関節を長く健康に保ちたい人には有利な場合がある、と著者らは述べています。

若い12人が最大重量で比べた2015年の研究では、バックスクワットのほうが上体の前傾が大きく、膝の動きには差がありませんでした。

フロントスクワットはどこに効きますか

主に働くのは、膝を伸ばす太ももの前(大腿四頭筋)と、股関節を伸ばすお尻(大臀筋)です。上体を立てておくために、背中とお腹の筋肉も働き続けます。

部位主な筋肉2015年の研究(12人・最大重量)での違い
太ももの前の内側内側広筋フロントのほうが大きかった
太ももの裏半腱様筋立ち上がりではバックのほうが大きかった
お尻・太ももの前の外側大臀筋・外側広筋差はなかった

筋ごとの結果は2つの研究で分かれます。2009年の研究では筋ごとの差もありませんでした。2015年の研究では、太ももの前の内側の筋活動がフロントで大きく、著者らは、膝を伸ばす筋を鍛えるにはフロントが好ましい場合があるとしています。しゃがむ深さによる効き方の違いは、スクワットのやり方にまとめています。

ラックポジションはどう作りますか

ラックポジションとは、バーを肩の前に乗せて構える姿勢です。バーを支えるのは手ではなく肩です。

  1. ラックのバーを鎖骨の少し下の高さに合わせます。セーフティバーは、しゃがんだ底より少し低い位置に置きます
  2. 肩幅よりやや広くバーを持ち、バーの下へ入ります
  3. バーを肩の前側と鎖骨の上に乗せ、喉に軽く触れるくらい体に近づけます
  4. 肘を前へ突き出し、肘から肩までの腕が床と平行になるまで上げます
  5. 指はバーの下に添えます。5本で握れなくても、指先がかかっていれば足ります
  6. ラックから外し、1〜2歩下がって足を肩幅に開きます

よくある崩れは、肘が下がることです。肘が落ちるとバーが前へ転がり、上体も前に引っ張られます。しゃがむときも立ち上がるときも、肘の高さを保つ意識で動いてください。

しゃがむときは何に気をつけますか

  1. 股関節と膝を同時に曲げ、上体を起こしたまま真下へしゃがみます
  2. 底でも立ち上がりでも、肘の高さを保ちます。肘が下がり始めたら、そのセットは終えます

足幅・深さ・回数・呼吸は通常のスクワットと同じです。太ももが床と平行かそれより下まで下り、8〜12回で限界になる重さで1〜3セット、週2〜3日を目安にし、息はこらえません。詳しくはスクワットのやり方にまとめています。

上がれなくなったら、無理に粘らずセーフティバーの上へバーを下ろします。重さはバックスクワットより軽い重さから始めてください(本サイトの提案)。

手首や肘がつらいときはどうすればいいですか

ふつうの持ち方(クリーングリップ)は手首を大きく反らせます。手首や肘が硬い人は、持ち方を替えると構えやすくなります。

持ち方やり方手首の反り気をつけること
クリーングリップ指をバーの下に添え、肘を前へ上げる大きい肘が下がると重さが手首に乗る
クロスアームグリップ腕を胸の前で交差し、手のひらでバーを上から押さえるほとんど要らない腕を床と平行に保たないとバーが前へ滑る
ストラップバーに巻いたリフティングストラップの端を握る小さいストラップの長さで肘の高さを調整する

半年以上フロントスクワットを続けている8人(筋トレ経験6年ほど)が、この3つを1回で上げられる最大重量の50%と80%で比べた2021年の学会発表があります。膝の左右の動きで見る限り、持ち方による差はありませんでした。手首の負担は測られていません。

それでも痛む場合は、その日はやめてください。バーを肩に乗せずに前で重りを持つ形なら、ゴブレットスクワットのやり方で同じように上体を起こしてしゃがむ練習ができます。痛みが続くときは、医師に相談してください。

ハイロックスではどこで効きますか

ハイロックス(HYROX)は、1kmのランと8種目を交互に行うレースです。体の前に重りを持ってしゃがむ形はウォールボールに直接つながります。サンドバッグランジとは脚の力の面で関わります。

最終種目の Wall Balls(ウォールボール)は、ボールを胸の前に持ってしゃがみ、壁の的へ投げる動作を100回行います。フロントスクワットで作るのは、前に重りを持っても上体が倒れない姿勢です。股関節が膝より下に来ないとノーレップになる深さの基準は、Wall Balls(ウォールボール)攻略で確認してください。

7種目めの Sandbag Lunges(サンドバッグランジ)は、サンドバッグを両肩に担いで100mをランジで進む種目です。持ち方は異なりますが、どちらも太ももの前とお尻を使う動作です。担ぎ方はSandbag Lunges(サンドバッグランジ)攻略で確認してください。

練習全体の組み立てはハイロックスのトレーニング完全ガイドにまとめています。

注意点・向かない人・限界は?

手首・肘・肩に痛みがある人。 持ち方を替えても痛む場合は、痛む姿勢で回数を重ねないでください。持病やけがの経験がある場合は、始める前に医師に相談してください。

ラックやセーフティバーが無い環境の人。 バーを肩の前に乗せる種目なので、床から担ぎ上げる方法は初心者には勧めません(本サイトの提案)。

研究の限界。 比較研究は15人と12人、持ち方の比較は8人の学会発表で、対象は若い人や筋トレ経験者です。初めてバーベルを使う人で同じ結果になるかは確かめられていません。持ち方による手首への影響も調べられていません。

よくある質問

Q1: フロントスクワットとバックスクワットはどちらがいいですか?

A: 目的で選びます。より重い重量を扱いたいならバックスクワット、上体を起こしたまましゃがむ形を身につけたいならフロントスクワットが向きます。

Q2: バーが喉に当たって苦しいときはどうすればいいですか?

A: バーが肩の前側ではなく首の上に乗っている可能性があります。肘をもう少し高く上げると、肩の前側が盛り上がってバーの乗る場所ができます。

Q3: 何kgから始めればいいですか?

A: 決まった数字はありません。バックスクワットより軽い重さで、8〜12回をフォームを保ったままできる重さが目安です。バーベルだけで始めてもかまいません。

Q4: かかとが浮いてしまうときはどうすればいいですか?

A: 足首が硬いと、上体を起こしたまましゃがむときにかかとが浮きやすくなります。かかとで床を押せる深さから始め、少しずつ下げてください。崩れの直し方はスクワットのやり方でまとめています。

Q5: ハイロックスの練習に毎回入れる必要はありますか?

A: 必須ではありません。ウォールボールの姿勢を作る種目の1つです。ゴブレットスクワットや自重のスクワットでも、同じ深さの練習はできます。

まとめ

フロントスクワットは、バーを肩の前側と鎖骨の上に乗せ、肘を高く保って上体を起こしたまましゃがむスクワットです。バックスクワットより上体の前傾が小さくなります。手首がつらいときは、腕を交差する持ち方かストラップに替えてください。

ハイロックスを目指すなら、ウォールボールの深さの基準をWall Balls攻略で確認し、練習計画はハイロックスのトレーニング完全ガイドを参照してください。


※本サイトはハイロックス(HYROX)の非公式のファンサイトです。HYROXおよび関連する名称・ロゴは HYROX World GmbH の商標であり、本サイトは同社およびその関連会社とは一切関係がありません。大会日程・ルール・料金は変更される場合があります。最新かつ正確な情報は公式サイトをご確認ください。

※本記事は医療・健康上の助言ではありません。持病のある方、体調に不安のある方は医師に相談のうえ運動してください。記載の回数・セット数は一般的な目安で、個人の状態に応じた処方ではありません。

※本記事は次の資料に基づきます。ウォールボールとサンドバッグランジの重量・動作基準は HYROX SINGLE RULEBOOK 26/27 によるもので、ルールブックは毎シーズン改訂されます。

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