最終更新: 2026年10月16日
スクワットは、足を肩幅に開き、つま先を正面からやや外へ向けて、股関節と膝を同時に曲げてしゃがみ、足裏全体で床を押して立ち上がる運動です。主に太ももの前・お尻・内ももに効きます。しゃがむ深さは太ももが床と平行になるところが基準です。かかとを浮かせず、膝はつま先と同じ向きに保ち、息は止めずに行います。
この記事の要点
- 研究では、深くしゃがむほどお尻と内ももの筋肉が大きく増えました。太ももの裏の筋肉は、深さにかかわらず増えませんでした
- 前かがみ・膝が内に入る・かかとが浮くの3つは、原因が足首の硬さや股関節まわりの筋力にあることが多く、深さと足の置き方から見直します
- 回数は、無理せず、フォームが保てなくなるところまでが目安です。頻度は週2〜3日から始めます
スクワットはどこに効きますか
しゃがんだ位置から体を起こすとき、太ももの前は膝を、お尻は股関節を伸ばして体を持ち上げます。深く下りるほど、内ももも動員されます。
| 部位 | 主な筋肉 | 研究での変化 |
|---|---|---|
| 太ももの前 | 大腿四頭筋 | 深さにかかわらず約5%増えた |
| お尻 | 大臀筋 | 深いほうが大きく増えた |
| 内もも | 内転筋 | 深いほうが大きく増えた |
| 太ももの裏 | ハムストリングス | 増えなかった |
男性17人が10週間、深いフルスクワットか浅いハーフスクワットを週2回続けた研究の結果です。お尻の増え方はフル6.7%に対しハーフ2.2%で、内ももでもフル6.2%、ハーフ2.7%でした。
一方で、太ももの裏の筋肉はどちらの深さでも増えませんでした。裏ももはデッドリフトのフォームで扱う種目で補います。
正しいやり方は?足幅・つま先・膝と股関節・呼吸の順に
- かかとを肩幅くらいに開き、つま先を正面から少し外へ向けます
- 腕は胸の前で組むか、前へまっすぐ伸ばします
- いすに腰かけるように、お尻を後ろへ引きながら股関節と膝を同時に曲げます
- 膝はつま先と同じ方向へ出し、かかとを床につけたままにします
- 太ももが床と平行になるところまで下ります
- 足裏全体で床を押して立ち上がります。肩とお尻を同じ速さで上げます
2014年に発表されたスクワットの評価法では、足幅はかかとが肩幅くらい、つま先は正面か外へ10度までとしています。極端に広い足幅や、つま先を大きく開く形は勧めていません。
膝がつま先を越えて前へ出るのは、しゃがめば自然に起きる動きです。同じ評価法は、膝を前に出すまいとすると上体が前へ倒れると指摘しています。7人の研究でも、膝の前進を板で止めると、負担が股関節と腰へ移りました。
呼吸について、厚生労働省のガイドは血圧の急な上昇を抑えるため、息をこらえないよう求めています。選手向けの評価法では息を吸って止める方法も紹介されていますが、本サイトは厚生労働省のガイドに従い、息をこらえない方法を勧めます。しゃがみながら吸い、立ち上がりながら吐く形が分かりやすい目安です。
どこまでしゃがめばいいですか
基準は太ももが床と平行になる深さです。上の評価法では、股関節が膝と同じ高さか、わずかに下になる位置としています。同じ論文は、最も多い誤りは浅すぎることだと述べています。
| 深さ | 姿勢の目安 | 本サイトの使い分け |
|---|---|---|
| 浅め | 太ももが床と平行より上 | 平行まで下りると崩れる段階の入り口 |
| 平行 | 太ももが床と平行 | 基本の深さ |
| 深め | 股関節が膝より下 | お尻と内ももをより使う |
ハイロックスのウォールボールでは、股関節が膝より下まで下りることが求められます(ルールブック26/27シーズン版)。どこまで下りられるかは人によって違うため、背中が丸まる、かかとが浮く手前で止めてください。
前かがみ・膝が内に入る・かかとが浮くはどう直しますか
| よくある崩れ | 主な原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 前かがみになる | 膝の前進を我慢している、足首が硬い | 膝は前へ出してかまわない。腕を前へ伸ばすと上体を起こしやすい(本サイトの提案) |
| 膝が内に入る | 股関節の外側の筋力が弱い、足首が硬い | 膝がつま先の真上を通る軌道で上下する |
| かかとが浮く | 足首が曲がりきらず、体重がつま先へ逃げている | かかとで床を押せる深さから始めて、少しずつ下げる。つま先をやや外へ向ける(本サイトの提案) |
| 浅いまま止まる | 下りる位置の目安がない | 後ろにいすを置き、深さの目安にする(本サイトの提案) |
| お尻が先に上がる | 立ち上がりで膝だけ先に伸ばしている | 肩とお尻を同じ速さで上げる |
上の評価法は、膝が内に入る原因として、股関節を外へ開く筋力の低下や足首の硬さを挙げています。30人の研究でも、足首を曲げにくくすると膝が内側へ入りやすくなりました。
かかとに台を置く方法について、評価法の論文は、最初は役立つ選手もいると書いています。ただし、上体の前傾が減るかどうかは研究によって結果が分かれます。胸の前に重りを抱えると、上体を起こしたまま下りやすくなります。その方法はゴブレットスクワットのやり方にまとめています。
初心者は何回・どれくらいの頻度で行えばいいですか
厚生労働省のガイドは、スクワットのような自重トレーニングを筋トレに含め、週2〜3日を勧めています。自宅では、無理せず「できなくなるところまで」が最も簡単な目安です。米国スポーツ医学会(ACSM)の初心者向け指針は、8〜12回で限界になる負荷で1〜3セットとしています。
自重では、8〜12回では限界に届かないこともあります。筋トレ経験のある男性18人の研究では、25〜35回で限界になる軽い負荷でも、筋肉の厚みは8〜12回の負荷と同程度に増えました。楽に回数が増えてきたら、重りを持つゴブレットスクワットや、片足スクワットのやり方・ランジのやり方の片脚の種目、跳ぶスクワットジャンプへ進めます。1日の回数・セット数や毎日やってよいかはスクワットの回数と頻度で、バーベルを肩の前に担ぐ形はフロントスクワットのやり方で扱っています。
ハイロックスではどこで効きますか
ハイロックス(HYROX)は、1kmのランと8種目を交互に行うフィットネスレースです。最後に行う Wall Balls(ウォールボール)では、胸の前でボールを構えてしゃがみ、伸び上がる勢いで壁の的へ投げる動作を100回こなします。
ルールブック(26/27シーズン版)では、スクワットの底で股関節が膝より下に来ないとノーレップです。警告はなく、基準を満たさない回は1回目から数えられません。自重スクワットで毎回この深さまで下りる練習が土台になります。投げ方と100回の分け方はWall Balls(ウォールボール)攻略にまとめています。
膝と股関節を曲げ伸ばしする7種目めはSandbag Lunges(サンドバッグランジ)攻略で扱っています。練習全体の組み立てはハイロックスのトレーニング完全ガイドにまとめています。
注意点・向かない人・限界は?
膝・腰・股関節に痛みがある人。 痛む動きを繰り返さず、その日はやめてください。持病や手術歴がある場合は、始める前に医師に相談してください。
血圧が高い人。 息をこらえると血圧が急に上がります。高血圧の治療中の人は、運動の強さを医師に確認してください。
研究の限界。 深さの研究は男性17人がバーベルで行ったもので、評価法は選手向けに提案されたものです。自重の初心者で同じ結果になるかは確かめられていません。自重スクワットだけでは、走る力や心肺の持久力も伸びません。
よくある質問
Q1: しゃがむと膝が前へ出ますが、直したほうがいいですか?
A: 無理に止める必要はありません。止めると上体が前へ倒れ、股関節と腰の負担が増えます。膝とつま先の向きがそろっているかを確かめてください。
Q2: 平行より深くしゃがむと膝を痛めやすいですか?
A: 選手を対象にした論文では、平行より深くしゃがむとけがが増えるという根拠は知られていないとしています。痛みがある場合は、痛まない深さで止めてください。
Q3: 床が滑ったり、ふらついたりするときはどうすればいいですか?
A: 滑りにくい床の上で、靴下を脱ぐか滑りにくい靴を履いて行います。ふらつく場合は、壁や安定した台に片手を添えて始めてください。
Q4: いすを使った練習はどうやりますか?
A: 動かないいすを後ろに置き、お尻が座面に軽く触れたら立ち上がります。座り込まずに触れるだけにすると、毎回同じ深さで止める練習になります。
Q5: しゃがむと膝が鳴りますが、続けていいですか?
A: 音だけでは原因が分かりません。痛み・腫れ・引っかかる感じを伴う場合はやめて、医師に相談してください。
まとめ
スクワットは、かかとを肩幅くらいに開き、つま先を外へ10度までにして、太ももが床と平行になるまでしゃがむ運動です。膝はつま先と同じ向きに出し、息はこらえません。無理せず、フォームが保てなくなるところまでを目安に、週2〜3日から始めてください。
ハイロックスを目指すなら、ウォールボールの深さの基準をWall Balls攻略で確認し、練習計画はハイロックスのトレーニング完全ガイドを参照してください。
※本サイトはハイロックス(HYROX)の非公式のファンサイトです。HYROXおよび関連する名称・ロゴは HYROX World GmbH の商標であり、本サイトは同社およびその関連会社とは一切関係がありません。大会日程・ルール・料金は変更される場合があります。最新かつ正確な情報は公式サイトをご確認ください。
※本記事は医療・健康上の助言ではありません。持病のある方、体調に不安のある方は医師に相談のうえ運動してください。記載の回数・セット数は一般的な目安で、個人の状態に応じた処方ではありません。
※本記事は次の資料に基づきます。ウォールボールの動作基準は HYROX SINGLE RULEBOOK 26/27 によるもので、ルールブックは毎シーズン改訂されます。
- 頻度・自重の目安・呼吸: 厚生労働省「筋力トレーニングについて」(健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023)
- 回数・セット数: ACSM Position Stand: Progression Models in Resistance Training for Healthy Adults(2009)
- 足幅・つま先・深さ・崩れ方とその原因: Myer ほか(2014)The back squat
- しゃがむ深さと筋肉量: Kubo ほか(2019)
- 膝の位置と関節の負担: Fry ほか(2003)
- 足首の硬さと膝の向き: Macrum ほか(2012)
- かかとを上げる効果: Pangan・Leineweber(2021) / Lee ほか(2019)
- 軽い負荷と重い負荷: Schoenfeld ほか(2015)
- ウォールボールの規定: HYROX SINGLE RULEBOOK 26/27
