メディシンボールトレーニングの種目と重さの選び方|投げる・持って動くの目的別に回数の目安を研究から解説

メディシンボールトレーニングの種目と重さの選び方|投げる・持って動くの目的別に回数の目安を研究から解説

最終更新: 2026年10月23日

メディシンボールトレーニングは、重さのあるボールを「投げる」か「持って動く」かで目的が変わります。チェストパスやスクワットスローなどの投げる種目はパワー、抱えてしゃがむ・ひねる種目は筋力と体幹を鍛えます。重さは、投げるなら全力の速さを保てる軽め、持つなら形を崩さず10〜15回できる重さが基本です。ハイロックスのウォールボールの練習なら、本番と同じ4kgか6kgから選びます。

この記事の要点

  1. 10代の競技者に12週間の投げる練習を足した研究では、投げる力と押す動作のパワーが伸び、最大筋力の伸びには差がありませんでした
  2. ボールが重くなるほど投げる速さは落ちます。投げる種目は全力の速さを保てる重さで、限界まで続けずに行います
  3. ハイロックスのウォールボールは、2026/27シーズンのルールで4kg・6kg・9kgのボールを的へ100回投げる種目です
この記事の内容

メディシンボールトレーニングで何が鍛えられますか?

できることは、大きく2つに分かれます。

分け方代表的な種目主に鍛えられるもの
投げるチェストパス、オーバーヘッドスロー、サイドスロー、スラム、スクワットスロー素早く力を出すパワー
持って動くスクワット、ランジ+ひねり、座ってひねる種目筋力、体幹で姿勢を保つ力

10代の競技者を対象にした研究で、投げる種目の効果が確かめられています。平均約17歳の女子ハンドボール選手21人の研究では、通常の練習に12週間の投げる練習を足した群が、投げるテストと押す動作のパワーで大きく伸びました。一方、ベンチプレスなどの最大筋力の伸びには、通常の練習だけの群と差がありませんでした。

高校の野球選手49人の研究でも、12週間・週3回のひねって投げる練習を足した群は、胴体をひねる力と横向きの投げで大きく伸びました。スクワットとベンチプレスの伸びには差がありません。投げる練習はパワー向け、最大筋力はふだんの筋トレで伸ばすと分けて考えると組みやすくなります。

投げる種目のやり方と、どこに効きますか?

どの種目も、1回ごとに全力の速さで投げます。疲れて速さが落ちたら、そのセットは終わりです。

種目やり方主に使う部位
チェストパス胸の前から壁へ両手でまっすぐ押し出す胸・肩の前・腕の裏
オーバーヘッドスロー頭上に構え、前へ投げる腹筋・肩・背中
サイドスロー壁に横向きで立ち、腰からひねって投げる股関節と胴体のひねり
スラム頭上から床へ叩きつける腹筋・背中・肩
スクワットスローしゃがんだ底から立ち上がる勢いで上へ投げる太もも・お尻・肩

サイドスローは、腕ではなく腰から先に回すのがこつです。スラムは床に強く当てるため、叩きつけ用のスラムボールで行います。

持って動く種目は、どう行いますか?

投げずに持つ種目は、ボールを重りとして使います。

  • スクワット: ボールを胸の前で両手で抱えてしゃがみます。太もも前とお尻を使います。重りを胸の前に持つ点はゴブレットスクワットと同じです
  • ランジ+ひねり: 前に踏み出して沈んだところで、ボールを前足の側へひねります。脚と脇腹を一緒に使います
  • 座ってひねる種目: 床に座って上体を少し後ろへ倒し、ボールを左右へ運びます。脇腹を使います

持つ種目は、ゆっくり動いて形を崩さないことが投げる種目との違いです。腰を丸めたまま動くと、背中の負担が増えるおそれがあります。しゃがむ形はゴブレットスクワットのやり方、胴体の鍛え方は体幹トレーニングの効果とメニューで詳しく扱っています。

初心者は何kgを選べばいいですか?

大学生80人(男女)が0.45〜5kgのボールを頭上から投げた研究では、重くなるほど投げる速さは落ち、落ち方は曲線を描きました。大学の野球選手27人が胸から押す投げで2kg・3kg・4kgを比べた研究(学会抄録)では、2kgで速さが最も高くなりました。

高校生が3kgのボールで6週間・週2回、頭上から投げる練習をした研究もあります。練習量は6回×3セットと6回×6セットの2通りです。3kgで練習すると、もっと軽いボールで投げる速さも上がりました。伸びの多くは練習量が2倍の群でした。

目的重さの考え方回数の目安
投げる全力の速さで投げ続けられる重さ1種目3〜6回×1〜3セット。限界まで行わない
持って動く形を崩さず10〜15回できる重さ10〜15回×1セットから、週2〜3日

回数は米国スポーツ医学会(ACSM)のパワーの練習と、始めたばかりの人の筋トレの目安です。器具を問わない一般の目安で、メディシンボールに限った指針ではありません。

ソフトタイプとスラムボールの違い

メーカーの説明では、ソフトタイプは表面が柔らかく、壁に投げて受ける用途です。ソフトタイプは床に叩きつける用途ではありません。床へ叩きつけるなら、厚いゴムで弾みにくいスラムボールを使います。硬いゴム製のメディシンボールは、製品によって投げ方や叩きつけの可否が違います。買う前に注意書きを確認してください。器具の買い方は自宅トレ用おすすめ器具にまとめています。

ハイロックスではどこで効きますか?

ハイロックス(HYROX)は、1kmのランと8種目を交互に行うレースです。最後の種目 Wall Balls(ウォールボール)は、ボールを胸の前に持ってしゃがみ、的へ100回投げます。しゃがんで立ち上がる勢いで投げる点は、スクワットスローと同じです。本番は的に当てることと、股関節が膝より下まで沈む深さが基準になります。

愛好家11人の模擬レースでは、血中の乳酸が最も高くなったのが最後のウォールボールでした。練習では、ランのあとにスクワットスローを入れると本番の順番に近づきます。ボールの重さと的の高さ、投げ方と100回の分け方はWall Balls(ウォールボール)攻略、練習全体の組み立てはハイロックスのトレーニング完全ガイドで扱っています。

注意点・向かない人・限界は?

研究の多くは、10代の競技者が対象です。 人数も数十人規模です。野球の研究は、打撃そのものが上達したかは測っていません。投げる力が伸びても、競技の技術まで伸びるとは限りません。

投げる種目は場所を選びます。 頭上へ投げる種目は天井や照明に当たるおそれがあります。ウォールボールの的の高さは、一般的な住宅の天井では再現できません。

腰・肩に不安がある人は、持つ種目の軽い重さから始めてください。 ひねる種目とスラムは、腰の動きが大きくなります。痛みが出たら中止し、続く場合は医師に相談してください。

よくある質問

Q1: メディシンボールは1個目に何kgを買えばいいですか?

A: 投げる練習が中心なら、全力の速さで投げ続けられる軽めの重さです。ハイロックスのウォールボールの練習が目的なら、本番と同じ4kg・6kg・9kgから選ぶと練習の目標が決めやすくなります。

Q2: ソフトタイプで床に叩きつけてもいいですか?

A: メーカーはソフトタイプを壁に投げて受ける用途としていて、叩きつけには使わないよう説明しています。床へ叩きつけるならスラムボールを使ってください。

Q3: メディシンボールだけで筋力は伸びますか?

A: 投げる練習を足した研究では、最大筋力の伸びに通常の練習だけの群との差がありませんでした。筋肉の大きさは測られていません。筋力を伸ばしたいなら、重さを扱う筋トレと組み合わせてください。

Q4: 何回やればいいですか?

A: 投げる種目は1種目3〜6回を1〜3セットで、限界まで続けません。持って動く種目は、形を崩さず10〜15回できる重さで1セットから始めるのが目安です。

Q5: 毎日やってもいいですか?

A: 毎日は勧めません。ACSMの目安では、筋トレは週2〜3日です。疲れで投げる速さが落ちる日は、休むほうがよいと本サイトは考えます。

Q6: 家の中でもできますか?

A: 持って動く種目とチェストパスは、壁と床に余裕があればできます。頭上へ投げる種目とスラムは、天井の高さと床への衝撃を確認してから行ってください。

まとめ

メディシンボールトレーニングは、投げる種目でパワーを、持って動く種目で筋力と体幹を鍛えます。重さは、投げるなら全力の速さを保てる軽め、持つなら形を崩さず10〜15回できる重さで決めます。壁に投げるならソフトタイプ、叩きつけるならスラムボールです。

ハイロックスに向けては、スクワットスローがウォールボールの動きにつながります。練習全体はハイロックスのトレーニング完全ガイド、種目の基準はWall Balls(ウォールボール)攻略で確認してください。


※本サイトはハイロックス(HYROX)の非公式のファンサイトです。HYROXおよび関連する名称・ロゴは HYROX World GmbH の商標であり、本サイトは同社およびその関連会社とは一切関係がありません。大会日程・ルール・料金は変更される場合があります。最新かつ正確な情報は公式サイトをご確認ください。

※本記事は医療・健康上の助言ではありません。持病のある方、体調に不安のある方は医師に相談のうえ運動してください。記載の重さ・回数は研究と指針から本サイトがまとめた目安で、個人の状態に応じた処方ではありません。

※本記事は次の資料に基づきます。ウォールボールの重量と基準は HYROX SINGLE RULEBOOK 26/27 によるもので、ルールブックは毎シーズン改訂されます。種目ごとの「主に使う部位」は動きから本サイトが整理したもので、筋活動を測った研究に基づくものではありません。

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