最終更新: 2026年10月16日
スクワットの回数は、初心者なら1セット8〜12回を1〜3セット、週2〜3日が基準です。米国スポーツ医学会(ACSM)の指針の数字で、その回数で限界が近づくきつさが前提です。自重で楽に12回を超えるなら、回数を増やすか重りや片脚で難しくします。同じ脚は48時間以上あけるのが指針で、毎日やるなら軽い日を挟みます。
この記事の要点
- 回数は「何回やるか」より「その回数で限界が近いか」で決めます。10回×3セットでも、10回で余裕があれば負荷が足りません
- 筋力・筋肉を狙うなら8〜12回、持久力なら15〜20回が指針の目安です。お腹や脚の引き締めは、回数より食事を含めた生活全体で決まります
- 毎日やるなら、限界近くまで行う日を週2〜3日にとどめ、間の日は余力を残して止める軽い日にします(本サイトの提案)
初心者は1日何回・何セットやればいいですか
| 項目 | 初心者の目安 | 出典 |
|---|---|---|
| 1セットの回数 | 8〜12回で限界が近づくきつさ | ACSM 2009 |
| セット数 | 1〜3セット | ACSM 2009 |
| 頻度 | 週2〜3日 | ACSM 2009・厚生労働省 |
| セット間の休憩 | 1〜2分 | ACSM 2009 |
よく見かける「10回×3セット」はこの範囲に収まりますが、10回目あたりできつくなる負荷であることが前提です。自重で楽に通せるなら、後で説明する順番で回数を増やします。フォームはスクワットのやり方で確認してください。
目的(筋力・引き締め・持久力)で回数を変えるべきですか
変えます。ACSMの指針は、目的ごとに回数とセット数を分けています。
| 目的 | 1セットの回数 | セット数 | 出典 |
|---|---|---|---|
| 筋力・筋肉を増やす(初心者) | 8〜12回で限界が近づく負荷 | 1〜3セット | ACSM 2009 |
| 持久力(回数を続ける力) | 15〜20回 | 2セットまで | ACSM 2011 |
| 運動を始める中高年 | 10〜15回 | 1セットから | ACSM 2011 |
休憩について、2009年の指針は15〜20回以上のセットで1〜2分、10〜15回のセットで1分未満としています。
回数の違う群を比べた研究では、少ない回数の群で最大の重さ、多い回数の群で続けられる回数が最もよく伸びました。研究の詳細は筋持久力とは?にまとめています。
「引き締め」で回数を増やしても、その部分の脂肪だけが減るわけではありません。片脚だけを12週間鍛えた11人の研究では、鍛えた脚の脂肪量は有意には減りませんでした。厚生労働省のガイドも、減量には食事を含めた生活習慣への注意が必要としています。
毎日やってもいいですか
ACSMの2011年の指針は、同じ筋肉の筋トレは週2〜3日、あいだを48時間以上あけるとしています。2009年の指針も、運動経験のない人を対象にした多くの研究が「1日おきに週2〜3日」で行われたと記しています。厚生労働省のガイドも、休息日が重要としています。
一方で、週の合計量をそろえた25研究の分析では、比べられた週1回〜3回以上の範囲で、筋肉の増え方に有意な差はありませんでした。毎日(週7回)を比べた分析ではありません。15研究の分析では、限界まで行っても手前で止めても、筋肉の増え方に有意な差はありませんでした。ただし「限界」の定義によっては、限界まで行う側にごくわずかな有利が出ています。
本サイトは、毎日やりたい人には次の分け方を勧めます。
- 限界近くまで行う日は週2〜3日にし、間を1日以上あけます
- 間の日は、数回の余力を残して止める軽い日にします
- 筋肉痛が強い日は、回数を減らすか休みます
筋肉痛の日の練習の考え方は筋肉痛の回復は何日?で扱っています。
「100回スクワット」は効きますか
伸びる力が違います。研究で比べられた回数は1セット25〜35回までで、100回を直接比べた研究はありません。
筋トレ経験のある男性18人の研究では、25〜35回で限界まで行う群は、8〜12回の群と筋肉の厚さは同程度に増え、スクワットの最大重量の伸びは小さくなりました。本サイトの見方では、100回が楽に通せるなら限界から遠い負荷で、主に回数を続ける力の練習になります。
慣れない人がいきなり100回を行うと、強い筋肉痛が出やすくなります。新しい運動は1〜2週間かけて段階的に入れるよう勧める総説があります。
運動の数時間〜数日後に、強い筋肉の痛み、紅茶やコーラのような濃い色の尿、強いだるさが出たら、すぐに医療機関を受診してください。
回数はどうやって増やせばいいですか
ACSMは、目標の回数より1〜2回多くできる日が2回続いたら、負荷を2〜10%上げる進め方を示しています。自重では重さを細かく変えられないため、本サイトは次の順番を勧めます。
| 段階 | やり方 | 次へ進む目安 |
|---|---|---|
| 1 | 自重で10回×2セット | 最後の1回まで深さとかかとを保てる |
| 2 | 自重で15〜20回×2〜3セット | 20回を3セット続けられる |
| 3 | 重りを抱える・片脚にする・跳ぶ | 8〜12回で限界が近づく難しさを選ぶ |
段階3は、重りを胸の前で抱えるゴブレットスクワット、片足スクワットのやり方、跳ぶスクワットジャンプから選びます。回数を増やすのは、深さが毎回そろってからにしてください。
ウォールボール100回にはどうつながりますか
ハイロックス(HYROX)は、1kmのランと8種目を交互に行うフィットネスレースです。最後の Wall Balls(ウォールボール)は、スクワットから伸び上がってボールを壁の的へ投げる動作を100回続けます。ボールはオープン部門で女性4kg、男性6kgです。
100回は、持久力の目安の15〜20回を大きく超える回数です。本サイトは、段階2の15〜20回のセットを深さを守って行い、慣れたらセット数を増やし、休憩を1分前後まで詰める練習を勧めます。強い日・軽い日の分け方は上の週の組み方に合わせます。
股関節が膝より下まで下りない回は数えられないため、深さの基準と100回の分け方はWall Balls(ウォールボール)攻略で確認してください。練習全体の組み方はハイロックスのトレーニング完全ガイドにまとめています。
注意点・向かない人・限界は?
膝・腰・股関節に痛みがある人。 回数を増やす前に、痛む動きを繰り返さないでください。持病や手術歴がある場合は、始める前に医師に相談してください。
血圧が高い人。 厚生労働省のガイドは、血圧の急な上昇を抑えるため、息をこらえないよう求めています。治療中の人は運動の強さを医師に確認してください。
数字の限界。 ACSMの指針は健康な成人向けの一般的な目安で、個人への処方ではありません。研究の多くは重りを使った少人数の実験で、自重スクワットだけを比べた研究ではありません。スクワットだけでは、走る力や心肺の持久力は伸びません。
よくある質問
Q1: 1日100回を朝と夜に分けてもいいですか?
A: 1日の中での分け方を比べた研究は、本記事の出典にはありません。分けても同じ脚を毎日使うことは変わらないため、限界近くまで行う日を週2〜3日にとどめる考え方を当てはめてください。
Q2: セット間は何秒休めばいいですか?
A: 8〜12回のセットなら1〜2分が目安です。ACSMの2009年の指針は、15〜20回以上のセットで1〜2分、10〜15回のセットで1分未満としています。
Q3: 筋肉痛があるときもやっていいですか?
A: 強い筋肉痛の後の1〜2日は、強さと時間を落とすよう勧める総説があります。痛みが強い日は回数を減らすか休み、腫れや濃い色の尿があれば受診してください。
Q4: 重りがないとき、回数以外で難しくする方法はありますか?
A: 片脚で行う片足スクワットや、跳ぶスクワットジャンプに替えます。ACSMの2009年の指針は、10〜15回のセットでは意図してゆっくり動かすことを勧めています。
Q5: 何週間で効果が出ますか?
A: 8週間の研究では、最初の数週間は主に神経の働きで力が伸び、筋肉が太くなる比重が大きくなるのは3〜5週目以降でした。少なくとも1〜2か月は続けて判断してください(本サイトの目安)。
まとめ
スクワットの回数は、初心者なら8〜12回を1〜3セット、週2〜3日が基準です。持久力を狙うなら15〜20回が目安です。同じ脚は48時間以上あけ、毎日やるなら余力を残す軽い日を挟みます。自重で楽になったら15〜20回まで増やし、その先は重りや片脚で難しくしてください。
ハイロックスを目指すなら、ウォールボールの深さの基準をWall Balls攻略で確認し、練習計画はハイロックスのトレーニング完全ガイドを参照してください。
※本サイトはハイロックス(HYROX)の非公式のファンサイトです。HYROXおよび関連する名称・ロゴは HYROX World GmbH の商標であり、本サイトは同社およびその関連会社とは一切関係がありません。大会日程・ルール・料金は変更される場合があります。最新かつ正確な情報は公式サイトをご確認ください。
※本記事は医療・健康上の助言ではありません。持病のある方、体調に不安のある方は医師に相談のうえ運動してください。記載の回数・セット数は一般的な目安で、個人の状態に応じた処方ではありません。
※本記事は次の資料に基づきます。ウォールボールの重さ・回数・動作基準は HYROX SINGLE RULEBOOK 26/27 によるもので、ルールブックは毎シーズン改訂されます。
- 初心者の回数・セット・頻度・休憩・負荷の上げ方・持久力の休憩・動かす速さ: ACSM Position Stand: Progression Models in Resistance Training for Healthy Adults(2009)
- 持久力・運動を始める中高年の回数とセット数、同じ筋肉の間隔48時間: ACSM Position Stand: Garber ほか(2011)(要約: Kravitz「From 1998 to 2011: ACSM Publishes Updated Exercise Guidelines」)
- 頻度・呼吸・休息日: 厚生労働省「筋力トレーニングについて」(健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023)
- 減量と生活習慣: 厚生労働省 健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023
- 回数の違う3群: Campos ほか(2002)
- 軽い負荷と重い負荷: Schoenfeld ほか(2015)
- 頻度と筋肥大(週1回〜3回以上の比較): Schoenfeld ほか(2019)
- 限界まで行うか: Refalo ほか(2023)
- 部分痩せ: Ramírez-Campillo ほか(2013)
- 筋肉痛と段階的な導入: Cheung ほか(2003)
- 受診のサイン: CDC/NIOSH「Rhabdomyolysis: Signs and Symptoms」
- 神経の適応と筋肥大: Moritani・deVries(1979)
- ウォールボールの規定: HYROX SINGLE RULEBOOK 26/27
