筋持久力とは?筋力・全身持久力との違いと鍛え方|負荷・回数・休憩・頻度と測り方を研究から解説

筋持久力とは?筋力・全身持久力との違いと鍛え方|負荷・回数・休憩・頻度と測り方を研究から解説

最終更新: 2026年10月14日

筋持久力とは、同じ筋肉が繰り返し力を出し続けられる能力のことです。鍛えるときは、米国スポーツ医学会(ACSM)の指針どおり、1RMの40〜60%の負荷で15回を超える回数を、休憩90秒未満で週2〜3日行います。1回で出せる最大の力(筋力)や、心肺で全身運動を続ける力(全身持久力)とは別の能力です。測る方法には、新体力テストの上体起こし(30秒間の回数)があります。

この記事の要点

  1. 筋力は「1回で出せる最大の力」、筋持久力は「特定の筋肉で何回続けられるか」、全身持久力は「心肺を使って全身運動を続ける力」です
  2. 軽い負荷・高回数で鍛えた群は、反復回数が最も伸びました。最大筋力は重い負荷のほうが伸びやすく、目的に合わせて負荷を選びます
  3. 測るなら上体起こしの30秒の回数が手軽です。腕立て伏せなどは、同じフォームの回数を4週間ごとに記録して比べます
この記事の内容

筋持久力とは何ですか?筋力や全身持久力とどう違いますか?

厚生労働省の e-ヘルスネットは、筋持久力を「繰り返しの負荷を何回続けられるか」という、特定の筋肉の持久力と説明しています。筋力は、1回の収縮で出せる力のことです。筋力は「どれだけ重いか」、筋持久力は「何回続くか」を表します。

1RMは、1回だけ持ち上げられる最大の重さです。全身持久力は、肺から取り込んだ酸素を筋肉で使い、全身の運動を続ける力です。心肺機能とも呼ばれ、心肺機能を高めるトレーニングで詳しく扱っています。3つを並べると次のとおりです。

能力何を表すか新体力テストの種目鍛え方の目安
筋力1回で出せる最大の力握力初心者は8〜12回で限界になる重さ(ACSM)
筋持久力特定の筋肉が繰り返し力を出し続ける力上体起こし(筋力・筋持久力)1RMの40〜60%で15回超(ACSM)
全身持久力心肺を使って全身運動を続ける力20mシャトルラン「ややきつい」運動を1回30分・週3回以上(厚生労働省)

種目と体力要素の対応は、スポーツ庁の体力・運動能力調査の分類です。上体起こしは、筋力と筋持久力の両方を測る種目に分類されています。

筋持久力はどんな負荷・回数・休憩・頻度で鍛えますか?

ACSMの指針(2009年)と厚生労働省の資料にある数字を並べると、次のようになります。

項目目安出典
負荷1RMの40〜60%(軽〜中程度)ACSM
回数15回を超えるACSM
休憩90秒未満ACSM
セット数初心者の筋トレ全般で1〜3セットACSM
頻度週2〜3日(自重の運動も含む)ACSM・厚生労働省
負荷の上げ方目標回数より1〜2回多くできた日が2回続いたら、2〜10%上げるACSM

e-ヘルスネットも、最大筋力の4割程度の軽い負荷で、限界近くまで繰り返す方法を挙げています。

自重の種目では1RMが分かりません。本サイトは、15〜25回で限界が近づく難しさの形を選ぶ方法を勧めます。楽に25回を超えるようになったら、ゆっくり下ろす、片脚にするなど、動作を難しくします。

軽い負荷と重い負荷では何が伸びるかが違いますか?

違います。運動経験のない男性32人を、回数の違う3群と対照群に分けた研究があります。8週間、脚の3種目を週2〜3回行いました。

群1セットの回数セット数休憩
低回数3〜5回で限界の重さ43分
中回数9〜11回で限界の重さ32分
高回数20〜28回で限界の重さ21分

1RMの伸びは低回数群が最大でした。一方、1RMの60%で続けられる回数は、高回数群が最も伸びました。筋線維が有意に太くなったのは、低回数群と中回数群でした。

筋トレ経験のある男性18人の研究でも、傾向は同じでした。1セット25〜35回の群と8〜12回の群を、週3回・8週間、限界まで行わせています。スクワットの1RMは重い負荷の群が19.6%、軽い負荷の群が8.8%伸びました。1RMの50%でのベンチプレスの回数は、軽い群だけが伸びました(+16.6%、重い群は−1.2%)。筋肉の厚さは両群で同程度でした。

21研究をまとめたメタ分析でも、1RMの伸びは重い負荷が大きく、筋肥大は同程度でした。伸びる能力は、鍛えた条件に近いものになります。

筋持久力はどうやって測りますか?

公的な方法には、スポーツ庁の新体力テストにある上体起こしがあります。20〜64歳向けの実施要項の手順は次のとおりです。

  1. マットの上で仰向けになり、両腕を胸の前で組み、両膝を90度に曲げます
  2. 補助者が両膝を押さえて固定します
  3. 「始め」の合図で、両肘が太ももにつくまで上体を起こし、すばやく戻します
  4. 30秒間でできた回数を記録します。戻したときに背中がマットにつかなければ数えません

実施要項は、腰痛の自覚症状がある人にはこのテストを行わないとしています。得点表は20〜64歳で共通です。

得点男性女性
10点33回以上25回以上
5点18〜20回12〜14回
1点8回以下0回

腕立て伏せは新体力テストに入っていないため、上体起こしのような国の得点表はありません。本サイトは、同じフォームで続けられた回数を4週間ごとに記録し、他人とではなく過去の自分と比べる使い方を勧めます。

自重でできる筋持久力メニューは何ですか?

器具なしで組んだ例です。回数と休憩はACSMの目安をもとに、本サイトがまとめました。

種目回数簡単にする難しくする
スクワット15〜25回浅めにしゃがむ3秒かけて下ろす
リバースランジ(左右交互)左右15〜20回ずつ手すりを持つ歩幅を広げる
腕立て伏せ15〜25回膝をつく足を台に乗せる
ヒップリフト15〜25回両脚で行う片脚で行う

各種目の間は60〜90秒休み、2〜3周します。週2〜3日、間を1日空けて行います。回数よりフォームを優先し、崩れたらそのセットは終わりです。

4週間に1回は、各種目を限界の2〜3回手前まで1セットだけ行い、その回数を記録します。測り方の節と同じく、過去の自分と比べる材料になります。

休憩を短くして種目を回す周回形式はサーキットトレーニングとは?、ランジのフォームはランジのやり方で扱っています。

ハイロックスではどこで効きますか?

ハイロックス(HYROX)は、1kmのランと種目1つを交互に8回繰り返すフィットネスレースです。筋持久力との関係が分かりやすいのは、終盤の2種目です。

順番種目内容重さ(女性/男性)
7種目めサンドバッグランジ100mを左右交互にランジ10kg/20kg
8種目めウォールボールスクワットからの投げ上げ100回4kg/6kg

重さはオープン部門のものです。どちらも7km以上走ったあとに、1回なら軽く扱える重さを数十〜100回繰り返す種目です。

第三者が公開リザルトを集計したデータ(ソロ39万件超)では、ウォールボールの平均所要時間は男女計で7分28秒と8種目の最長です。ウォールボールは、選手間の差も8種目で最も大きい種目です。

本サイトは、ランの直後にスクワットやランジを15回超で行い、疲れた脚で回数を保つ練習を勧めます。筋トレとランの両立はハイブリッドトレーニングとは、練習全体の組み方はハイロックスのトレーニング完全ガイドを参照してください。

筋持久力トレーニングの注意点・向かない人・限界は?

腰や膝に痛みがある人は注意します。 上体起こしは、腰痛の自覚症状がある人には行わない種目です。高回数の種目は同じ関節を何十回も動かします。痛みが出たらその場で中止し、続く場合は医師に相談してください。

限界までの反復を毎回行う必要はありません。 回数の後半はフォームが崩れやすくなります。2〜3回の余裕を残して止める日を作ると、続けやすくなります(本サイトの勧め方)。強い筋肉痛が出たときの扱いは筋肉痛の回復は何日?で扱っています。

筋持久力だけでは足りません。 心肺は別に鍛える必要があります。

研究には限界があります。 紹介した研究は対象が18〜32人と小さく、多くが若い男性です。女性や高齢者にそのまま当てはまるとは限りません。

よくある質問

Q1: 筋持久力と筋力、どちらを先に鍛えればいいですか?

A: 目的によります。運動経験がない人には、ACSMが8〜12回で限界になる重さの筋トレを勧めています。慣れてから、15回を超える回数の日を加える順番が組みやすい形です。

Q2: 毎日やってもいいですか?

A: 同じ筋肉を鍛える日は、間を1日空けてください。目安は週2〜3日です。

Q3: どれくらいで変化が出ますか?

A: 紹介した研究では、8週間で反復できる回数が伸びました。伸び方には個人差があります。4週間ごとに回数を記録すると、変化を確かめられます。

Q4: 腹筋(上体起こし)だけ鍛えれば十分ですか?

A: 十分ではありません。筋持久力は筋肉ごとの能力なので、脚にはスクワットやランジ、腕と胸には腕立て伏せが必要です。体幹全体の鍛え方は体幹トレーニングの効果とメニューで扱っています。

Q5: ランニングで筋持久力はつきますか?

A: ランニングは、主に全身持久力を高める運動として公的な指針に挙げられています。重さを支えて曲げ伸ばしする動作の回数を伸ばすなら、その動作で鍛えるのが確実です。

Q6: 高齢者でも同じ目安でいいですか?

A: ACSMの指針は健康な成人向けです。厚生労働省は、高齢者にも自重の運動を含む筋トレを週2〜3日勧めています。新体力テストには65〜79歳向けの別の要項があります。持病がある人は医師に相談してください。

まとめ

筋持久力は、特定の筋肉が繰り返し力を出し続ける能力です。1回の最大の力を表す筋力や、心肺を使う全身持久力とは鍛え方が違います。ACSMの目安は、1RMの40〜60%で15回を超える回数、休憩90秒未満、週2〜3日です。

研究では、軽い負荷・高回数で反復回数が伸び、重い負荷で最大筋力が伸びました。測るなら上体起こしの30秒の回数、自重メニューの回数の記録が手軽です。ハイロックスでは終盤のサンドバッグランジとウォールボールで効きます。練習全体はハイロックスのトレーニング完全ガイドを軸に組んでください。


※本サイトはハイロックス(HYROX)の非公式のファンサイトです。HYROXおよび関連する名称・ロゴは HYROX World GmbH の商標であり、本サイトは同社およびその関連会社とは一切関係がありません。大会日程・ルール・料金は変更される場合があります。最新かつ正確な情報は公式サイトをご確認ください。

※本記事は医療・健康上の助言ではありません。持病のある方、体調に不安のある方は医師に相談のうえ運動してください。記載の回数・セット数・頻度は一般的な目安で、個人の状態に応じた処方ではありません。

※本記事は次の資料に基づきます。自重メニューの回数・休憩は、これらをもとに本サイトがまとめた例です。種目別の所要時間は HyroxDataLab による公開リザルトの第三者集計で、HYROX公式が発表した数値ではありません。

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