サーキットトレーニングとは?効果・HIITとの違い・初心者のメニューを研究から解説

サーキットトレーニングとは?効果・HIITとの違い・初心者のメニューを研究から解説

最終更新: 2026年10月8日

サーキットトレーニングとは、筋トレや有酸素の種目を、あいだの休憩を短くして順番に行い、それを何周か繰り返すトレーニング方法です。45件の研究をまとめたメタ分析では、練習した人の心肺機能と筋力がどちらも伸び、体脂肪はやや減りました。初心者は自重6種目を30秒ずつ、2周・週2回から始めるのが本サイトの勧め方です。

この記事の要点

  1. サーキットは「種目を順番に回す」形式の名前で、強度の決まりはありません。強度で決まるHIITとは、重なる部分があっても別の言葉です
  2. メタ分析では、練習した人の最大酸素摂取量が約6%伸び、脂肪量は練習の前後で平均約1kg減りました。体重は変わっておらず、「脂肪燃焼」を大きく見積もるのは言い過ぎです
  3. 段階を上げるときは、周回数・休憩・時間・重さのうち1つだけを変えます
この記事の内容

サーキットトレーニングとは?HIITやインターバルとどう違いますか

メタ分析の定義では、サーキットトレーニングは「異なる種目を、あいだの休憩を短くして続けて行う」形式です。筋力・筋持久力・心肺機能を1回の練習で扱う目的で使われます。サーキットは種目の並べ方の名前で、強度の名前ではありません。

方法何で決まるか休憩例
サーキットトレーニング複数の種目を順番に回す種目の間は短い自重6種目×2〜3周
HIITきつい運動と休息の繰り返し(強度)運動と休息の比で決める20秒運動・10秒休憩×8本
インターバル走ランの速い区間と回復の繰り返し2分前後の歩き・ジョグ400m×4〜5本

両者が重なるのが「高強度のサーキット」です。米国スポーツ医学会(ACSM)が発行する指導者向けの専門誌では、自重の12種目を30秒ずつ、10秒の切り替えで回す例が紹介されました。サーキットの形式を、HIITに近い強度で行う例にあたります。

逆に、軽い負荷で落ち着いて回すサーキットはHIITではありません。強度の決め方はHIITとは?効果・タバタ式との関係、ランの区間の組み方はインターバルトレーニングのやり方で扱っています。

サーキットトレーニングにはどんな効果がありますか

45件の研究をまとめたメタ分析で、練習した群(897人)の前後の変化は次のとおりです。主に筋トレ種目(重りを使うものを含む)を回した研究で、期間は平均10週間ほど(4〜28週)でした。

指標変化
最大酸素摂取量1分・体重1kgあたり+2.93ml(約6.3%)
体脂肪率−0.70ポイント
脂肪量−1.04kg
筋肉量約1.9%増
体重有意な変化なし
筋力(1回で挙がる最大重量)上半身・下半身とも増加

運動しなかった群(474人)は、最大酸素摂取量・体脂肪率ともほぼ変わりませんでした(脂肪量は−0.3kg)。

1つの練習で、心肺と筋力の両方が伸びました。一方で、脂肪の減り方は前後の変化で平均約1kgでした。よく言われる「脂肪燃焼」は、この大きさで受け止めてください。

条件ごとの分析では、種目の間の休憩が10〜30秒で、負荷が低〜中程度のときに脂肪量の減りが大きくなりました。週3回の練習で脚の筋力の伸びが大きい傾向も報告されています。

別のメタ分析は、重りを使うサーキットで最大酸素摂取量を大きく伸ばした条件をまとめています。8件の研究から示された目安は、6〜12週・計14〜30回・1回20〜30分以上で、負荷は1回で挙がる最大重量の60〜90%でした。短い1回で済む方法ですが、数週間は続ける前提です。

初心者はどんなメニューから始めればいいですか

組み方の土台は2つです。ACSMの指針は、筋持久力を高めるなら軽〜中程度の負荷で15回を超える回数、休憩は90秒未満としています。厚生労働省のガイドは、自重の運動も含めた筋トレを週2〜3日勧めています。

初級(自重)

順番種目時間
1スクワット30秒
2腕立て伏せ(膝つきでよい)30秒
3その場もも上げ30秒
4プランク30秒
5リバースランジ(左右交互)30秒
6ヒップリフト30秒

運動30秒・休憩30秒で1周6分です。周の間に2分休み、2周(約14分)を週2回行います。下半身の種目の間に、上半身と体幹の種目を挟むのが本サイトの並べ方です。

中級(自重)

初級の6種目のうち、スクワットをジャンプスクワットに、もも上げをバーピーに替えます。運動40秒・休憩20秒で3周、周の間は1分です。合計は約20分になります。

器具版(ケトルベルかダンベル1個)

順番種目回数
1ゴブレットスクワット15回
2ケトルベルスイング15回
3腕立て伏せ10〜15回
4ランジ(重りを胸の前で持つ)左右各10回
5スーツケースキャリー(片手で持って歩く)左右各30秒
6バーピー10回

種目の間は30秒以内、周の間は2分で3周します。重さは、15回を正しい形で止まらずに行える重さが目安です。スイングのやり方はケトルベルトレーニング入門を参照してください。

段階はどう上げればいいですか

運動習慣のない肥満の女性24人を2群に分けた研究では、30秒運動・10秒休憩×12種目のサーキットを週3回・8週間行いました。最初の週は1周、2週ごとに1周ずつ増やす形です。対照群より体脂肪率や最大酸素摂取量が改善しました。

本サイトはこの考え方を、次の順番に置き換えて勧めます。

段階変えるもの例次へ進む目安
1周回数2周→3周全周を崩さず終えた日が2回続く
2休憩30秒→20秒同上
3運動時間30秒→40秒同上
4重さ2〜10%上げる目標より1〜2回多くできた日が2回続く

重さの上げ幅と目安は、ACSMの指針に合わせています。1回に変えるのは1つだけにしてください。周回数と重さを同じ週に上げると、どちらが原因で崩れたのか分からなくなります。

ハイロックスの練習にはどう使えますか

ハイロックス(HYROX)は、1kmのランと種目1つを交互に8回繰り返すフィットネスレースです。レースの形そのものが、ランを挟んだ大きなサーキットになっています。公式の実力診断であるHYROXフィジカルフィットネステスト(PFT)も、ランと5種目を休みなく続ける形式です。

器具版の種目は、本番の種目と動きが近いものを選んでいます。ゴブレットスクワットはウォールボールの深さ、ランジはサンドバッグランジ、キャリーはファーマーズキャリー、バーピーはバーピーブロードジャンプの準備になります。

慣れてきたら、サーキットの1種目を短いランに置き換えると本番に近づきます。たとえば「400m(または2分)のラン→器具版の2種目」を3周する形です。本番形式の練習を週の中にどう置くかは週2・週3・週4別のハイロックス練習メニュー例、全体の組み立てはハイロックスのトレーニング完全ガイドを軸にしてください。

サーキットトレーニングの注意点・向かない人・限界は?

持病がある人。 休憩が短いぶん心拍が上がりやすい練習です。心臓病や高血圧などを指摘されたことがある人は、始める前に医師に相談してください。

関節に痛みがある人。 ジャンプスクワットやバーピーを外し、着地の衝撃がない種目に替えます。痛みが出た日は中止します。

疲れてフォームが崩れる場合。 休憩が短いと、後半の周ほど動作が雑になります。スイングやバーピーで背中が丸まったら、その周は途中でも終えてください。

研究の限界。 上のメタ分析は、多くの研究で偏りのリスクが高く、12週を超える研究は6件だけでした。筋力の結果は、効果の出た研究ほど発表されやすい偏りも疑われます。食事を管理していない研究も多くあります。従来の筋トレや持久走より優れるかは、比べられていません。

痩せることが目的の人。 体脂肪1kgを減らすには約7,000kcalが要るとされます。サーキットだけに頼らず、食事の見直しと組み合わせてください。

よくある質問

Q1: サーキットトレーニングとHIITは同じですか?

A: 同じではありません。サーキットは複数の種目を順番に回す形式、HIITはきつい運動と休息を繰り返す方法です。サーキットを高い強度で行えば、両方に当てはまります。

Q2: 1回何分やればいいですか?

A: 重りを使ったサーキットの研究をまとめたメタ分析では、最大酸素摂取量を大きく伸ばした条件は1回20〜30分以上でした。自重のメニューにそのまま当てはまるとは限りません。初心者は本記事の初級(約14分)から始め、周回数を増やして20分前後に近づけてください。

Q3: 毎日やってもいいですか?

A: 勧めません。厚生労働省のガイドは筋トレを週2〜3日としています。本サイトは、同じ筋肉を使う日を連続させない組み方を勧めます。

Q4: サーキットトレーニングで痩せますか?

A: メタ分析では、練習した人の脂肪量が前後で平均約1kg減った一方で、体重は変わりませんでした。筋肉量はわずかに増えており、体重計の数字だけでは変化を判断しにくくなります。食事の見直しと組み合わせてください。

Q5: 器具がなくても自宅でできますか?

A: できます。本記事の初級・中級は器具なしで組めます。自宅だけでハイロックスに備える方法は自宅だけでハイロックスに備えるトレーニングにまとめています。

Q6: 種目はいくつ入れればいいですか?

A: 決まりはありません。研究では12種目の例もあります。本サイトは、初心者には動作を覚えやすい6種目前後を勧めます。

まとめ

サーキットトレーニングは、複数の種目を短い休憩で順番に回す形式です。メタ分析では、練習した人の心肺機能と筋力が伸び、脂肪量は前後で平均約1kg減りました。体重は変わっておらず、脂肪燃焼の効果は控えめに受け止めるのが妥当です。

初心者は自重6種目・30秒ずつ・2周を週2回から始め、周回数・休憩・時間・重さを1つずつ上げてください。ハイロックスに向けては、1種目を短いランに置き換えると本番の形に近づきます。練習全体はハイロックスのトレーニング完全ガイドを軸に組んでください。


※本サイトはハイロックス(HYROX)の非公式のファンサイトです。HYROXおよび関連する名称・ロゴは HYROX World GmbH の商標であり、本サイトは同社およびその関連会社とは一切関係がありません。大会日程・ルール・料金は変更される場合があります。最新かつ正確な情報は公式サイトをご確認ください。

※本記事は医療・健康上の助言ではありません。持病のある方、体調に不安のある方は医師に相談のうえ運動してください。記載の種目・時間・回数・頻度は一般的な目安で、個人の状態に応じた処方ではありません。

※本記事は次の資料に基づきます。メニューと段階の表は、これらをもとに本サイトがまとめた例で、研究で決まった基準ではありません。

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