最終更新: 2026年10月14日
初心者の最初の1足は、ブランドや価格より、足に合うサイズと、試着して快適と感じるかで選びます。目安は、夕方に両足で試し、かかとを合わせて立ったときにつま先へ約1cmの余裕があることです。足の形で靴の種類を割り当てても、けがは減らなかったという研究があります。高い靴ほど衝撃をやわらげるとも限りません。
この記事の要点
- サイズは「夕方・両足・ふだん走るソックス」で試し、つま先に約1cm、幅は指の付け根が圧迫されないものを選びます
- 足の形の診断で安定性重視の靴に決めつける根拠は弱く、最終的には試着したときの快適さで選びます
- 買い替えはメーカー側の目安で約480〜800km(ミズノは600km程度)です。距離に加えて、ソールのすり減りやシワも見ます
最初の1足は何を基準に選べばいいですか?
基準は2つで、サイズが合っていることと、試着したときに快適なことです。
足の形に合わせて靴を選ぶ方法は、研究ではあまり支持されていません。米海兵隊の新兵約1,400人を調べた研究では、土踏まずの形で3種類の靴を割り当てても、全員に同じ靴を渡した群とけがの多さが変わりませんでした。2009年の文献調査も、足の形に合わせた処方は根拠がないと結論づけています。
代わりに提案されているのが、快適さで選ぶ考え方です。2015年の総説は、本人が快適と感じる靴を選べば、走り方に無理がかからず、けがを減らせる可能性があると述べました。ただし、これは研究者の仮説で、まだ十分に確かめられていません。
| 選び方 | 研究で言えること |
|---|---|
| 足の形(土踏まず)で割り当てる | けがは減らなかった |
| 試着して快適なものを選ぶ | 有力な仮説。決定的な証拠はまだない |
サイズと幅はどう合わせますか?
アシックスとミズノの公式の解説をまとめると、次のとおりです。
| 確かめること | 目安 |
|---|---|
| つま先の余裕 | 約1cm(ミズノは1〜1.5cm)。立って指が自由に動く |
| 試す時間 | 午後か夕方。朝と夕方で足の大きさが0.5〜1.0cm違う |
| 試す足 | 両足。左右で大きさや形が違う人がいる |
| ソックス | 走るときに使うソックス |
| 幅 | 親指と小指の付け根が圧迫されない。きつければ幅広モデルを試す |
| かかと | 浮かずに包まれている |
つま先が当たる靴は避けてください。アシックスは、親指や小指の付け根が圧迫される靴は避けるよう勧めています。
アシックスは、試着で片足立ちをして、体重がかかって広がった足でも合うかを確かめるよう勧めています。かかとは浮かずに包まれている状態が目安です。
クッションや安定性の機能は必要ですか?
足が内側に倒れ込む「オーバープロネーション」は、靴選びでよく話題になります。研究の現状は次のとおりです。
| 研究 | 対象 | 結果 |
|---|---|---|
| Nielsen ほか(2014) | 走り始めの初心者927人を1年追跡。全員が回内を抑える機能のない靴 | 中程度の回内(内側へ倒れる)足の人に、けがが多くはなかった。強い回内は人数が少なく未確定 |
| Malisoux ほか(2016) | 372人。同じ靴の安定性機能あり・なしで比較 | 機能ありの靴でけがが少なかった。回内足の94人で差が大きい |
| Malisoux ほか(2020) | 848人。同じ靴の柔らかい版・硬い版で比較 | 硬い版でけがが多い。差は体重の軽い人で出た |
2016年の研究で回内足に効いたという結果は、足の形で分けた副次的な分析で、人数も94人と少ない数字です。靴メーカーが研究に関わっています。足の形の診断だけで安定性重視の靴に決める理由にはなりません。
本サイトは、クッションのある普段の練習用の靴から試すことを勧めます。安定性の機能がある靴は、試着して快適なら選べばよいという位置づけです。
価格はいくらで、どこで買えばいいですか?
研究からは、高い靴ほど良いとは言えません。
英国で3つの価格帯の靴を43人の男性で比べた研究では、安い靴と中くらいの靴の衝撃のやわらげ方は、高い靴と同等か上回りました。比べた価格帯は約40〜75ポンドの3段階で、快適さも価格とは関係がありませんでした。1985年の研究でも、価格による差は見られませんでした。ただし新品の時点では、モデルによって最大3割ほどの差がありました。
本サイトは今の売り場の具体的な金額を示しません。モデルや時期で変わるためです。上の研究の範囲では、価格帯の上を選ぶ理由は見つかっていません。予算の範囲で、足に合って快適な1足を選んでください。
買う場所は、最初の1足は試着できる店を勧めます。サイズと幅の相性は、試着しないと分からないためです。サイズが分かったあとの買い直しなら、通販でも選びやすくなります。返品や交換の条件は先に確かめてください。
いつ買い替えればいいですか?
メーカー側の目安は、ミズノが走行距離600km程度です。アシックスの米国サイトの記事は、300〜500マイル(約480〜800km)としています。
衝撃をやわらげる力は、距離とともに落ちます。1985年の研究では、機械で着地を再現すると、約80kmで新品の約75%、約400〜800kmで60%未満まで下がりました。実際に走った靴では、約800kmで約70%でした。機械の試験より、実際に走った靴のほうが落ち方は小さい結果です。
距離だけでなく、次のサインも見ます。
| サイン | 出典 |
|---|---|
| 靴底の溝が平らになった | ミズノ |
| 靴底がすり減り、下の層が見えている | アシックス |
| ミッドソール(中間の層)に深いシワがある | アシックス、ミズノ |
| 左右で減り方が大きく違う | アシックス |
| 平らな床で靴がまっすぐ立たない | アシックス |
| 走った後の疲れが増えた | ミズノ |
264人の市民ランナーの調査では、2足以上を並行して使う人にけがが少ない傾向がありました。ただし観察研究で、2足使えばけがが減ると確かめたものではありません。
ハイロックスではどこで効きますか(同じ靴で出られますか)?
ハイロックス(HYROX)は、1kmのランと1種目を交互に8回繰り返すフィットネスレースです(種目は全部で8つ)。ルール上の靴の条件は、つま先が覆われていることだけです。ウォールボールの種目中に限り、靴を脱げます。
そのため、ジョギング用の1足で練習を始め、初出場することもできます。ただし、そりを押す種目やランジでは、走るための靴の弱点が出ます。ソールが厚く柔らかい靴は、荷重のかかる種目では接地が安定しにくい設計です。この違いはハイロックスのシューズ選びで整理しています。
ジムでの練習にも同じ靴を使う場合は、買い替えを早めに考えてください。アシックスは、走る以外の用途で使うと靴の寿命が縮むとしています。当日の持ち物全体はハイロックス初出場の持ち物チェックリストにあります。
注意点・向かない人・限界は?
痛みや足の変形がある人。 足や膝に痛みがある人、外反母趾などで合う靴が見つからない人は、靴選びの前に医療機関で相談してください。靴でけがを治せるとは言えません。
研究には限界があります。 靴の硬さの研究は試作品2種類の比較です。1985年の研究は当時の素材での結果で、今の靴にそのまま当てはまるとは限りません。
買い替えの距離はメーカーの数字です。 距離の目安は靴を売るメーカーの数字です。距離だけで決めず、靴の状態とあわせて判断してください。
よくある質問
Q1: 最初の1足を通販で買ってもいいですか?
A: 最初の1足は、試着できる店を勧めます。サイズと幅の相性は試着しないと分からないためです。自分のサイズが分かったあとの買い直しなら、通販でも選びやすくなります。
Q2: つま先はどれくらい空ければいいですか?
A: かかとを合わせて立ったときに約1cmが目安です。ミズノは1〜1.5cmとしています。
Q3: 安い靴でも大丈夫ですか?
A: 研究の範囲では、高い靴ほど衝撃をやわらげるとは言えません。約40〜75ポンドの3段階を比べた研究では、安い靴と中くらいの靴が高い靴と同等以上でした。
Q4: 扁平足や回内足なら安定性重視の靴を選ぶべきですか?
A: 必須とは言えません。安定性機能で回内足のけがが少なかった試験はありますが、足の形で分けた副次的な分析で、人数も少ない結果です。試着して快適かどうかで決めてください。
Q5: ランニングシューズの寿命は何kmですか?
A: メーカー側の目安は約480〜800km(ミズノは600km程度)です。ソールのすり減りやミッドソールのシワも見て判断してください。
Q6: ランニングシューズでハイロックスに出られますか?
A: 出られます。ルール上の条件は、つま先が覆われていることだけです。荷重のかかる種目との相性はハイロックスのシューズ選びにまとめています。
まとめ
初心者のランニングシューズは、夕方に両足で試着し、つま先に約1cmの余裕があり、幅がきつくないものを選びます。足の形の診断より、試着したときの快適さを優先します。価格が高いほど良いとは限りません。買い替えは約480〜800kmを目安に、靴の状態も見て決めます。
最初の1足で走る速さはジョギングのペースの目安にあります。ハイロックスに向けた靴はハイロックスのシューズ選び、当日の持ち物はハイロックス初出場の持ち物チェックリストで確認できます。
※本サイトはハイロックス(HYROX)の非公式のファンサイトです。HYROXおよび関連する名称・ロゴは HYROX World GmbH の商標であり、本サイトは同社およびその関連会社とは一切関係がありません。大会日程・ルール・料金は変更される場合があります。最新かつ正確な情報は公式サイトをご確認ください。
※本記事は医療・健康上の助言ではありません。持病のある方、体調に不安のある方は医師に相談のうえ運動してください。
※本記事は製品の使用レビューではありません。マイルからkmへの換算は本サイトの計算です。メーカーの情報は2026年10月14日時点の公式サイトの記載に基づきます。靴の条件は HYROX SINGLE RULEBOOK 26/27 に基づきます。
- 足の形で靴を割り当てた試験: Knapik ほか(2010)
- 足の形に合わせた処方の文献調査: Richards ほか(2009)
- 快適さで選ぶ考え方: Nigg ほか(2015)
- 回内足とけが: Nielsen ほか(2014)
- 安定性機能のある靴の試験: Malisoux ほか(2016)
- クッションの硬さの試験: Malisoux ほか(2020)
- 価格と衝撃のやわらげ方: Clinghan ほか(2008)
- 走行距離と衝撃をやわらげる力: Cook ほか(1985)
- 2足以上の並行使用: Malisoux ほか(2015)
- サイズ・試着の目安: アシックス「ランニングシューズの選び方」 / ミズノ「初心者向けランニングシューズの選び方」
- 買い替えの目安: ミズノ(同上) / ASICS: How Often Do You Need to Replace Your Running Shoes?
