最終更新: 2026年10月18日
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汗で失う電解質(主にナトリウム)を補える身近な飲み物は、スポーツドリンクです。環境省と日本スポーツ協会は、汗を多くかく運動では食塩0.1〜0.2%(ナトリウム100mLあたり40〜80mg)の飲料を勧めています。ふだんは水やお茶で足ります。経口補水液は脱水状態のための食品で、日常の水分補給に飲むものではありません。電解質パウダーは、表示の食塩相当量から100mLあたり0.1〜0.2gになるように溶かします。
この記事の要点
- 汗を多くかく運動では、食塩0.1〜0.2%・糖質4〜8%の飲料が目安です。一般的なスポーツドリンクがこれにあたります
- 経口補水液はナトリウムがスポーツドリンクの目安より多く、糖質は少なめです。脱水状態でない人が日常的に飲むものではありません
- 電解質パウダーは、溶かす水の量で濃度が決まります。表示の食塩相当量から100mLあたりを計算して選びます
電解質を補える飲み物には何がありますか?
電解質とは、体の水分の濃さを調節したり、神経や筋肉の働きに関わったりする成分です。消費者庁は、主な電解質としてナトリウムイオンやカリウムイオンを挙げています。
汗には水だけでなく塩分も含まれます。日本スポーツ協会のガイドブックによると、汗の量が多くなるほど汗の塩分濃度も上がります。たくさん汗をかいたら、水と一緒に塩分も補う必要があります。
公的機関の資料をもとに、主な飲み物を並べると次のとおりです。
| 飲み物 | ナトリウム(100mLあたり) | 糖質(100mLあたり) | 向く場面 |
|---|---|---|---|
| 水・お茶 | ほぼ含まない | ほぼ含まない | ふだんの水分補給 |
| スポーツドリンク(目安) | 40〜80mg(食塩0.1〜0.2g) | 4〜8g | 汗を多くかく運動 |
| 経口補水液(許可基準) | 92〜138mg(食塩約0.23〜0.35g) | ブドウ糖1.00〜2.60g | 脱水状態のとき |
| 電解質パウダー・タブレット | 製品と溶かす量しだい | 製品しだい | 濃さを自分で調整したいとき |
スポーツドリンクの値は環境省「熱中症環境保健マニュアル2022」と日本スポーツ協会のガイドブックが勧める目安です。個々の商品の成分値ではありません。経口補水液の値は、消費者庁が定めた許可基準型の経口補水液の基準です。食塩の量は、消費者庁の換算式(ナトリウムmg×2.54÷1000)で本サイトが計算しました。
スポーツドリンクと経口補水液はどう違いますか?
一番の違いは、使う場面です。スポーツドリンクは運動中の補給に使う一般の飲料です。経口補水液は、消費者庁が表示を許可する特別用途食品(病者用食品)にあたります。
消費者庁は、経口補水液を「感染性胃腸炎による下痢・嘔吐に伴う脱水状態」で水と電解質を補うための食品としています。そのうえで、脱水状態でない人が日常の水分補給として飲むものではないと明記しています。脱水でないのに大量に飲むと、ナトリウムのとりすぎにつながるおそれがあるためです。
| 比べる点 | スポーツドリンク(目安) | 経口補水液(許可基準) |
|---|---|---|
| 位置づけ | 一般の飲料 | 特別用途食品(病者用食品) |
| 想定する人 | 運動で汗をかく人 | 医師から感染性胃腸炎による脱水状態で使うよう指示された人など |
なお、消費者庁は、脱水を伴う熱中症に使える経口補水液を、許可基準型とは別の「個別評価型」として許可しています。どちらにあたるかは、容器の表示で確かめてください。
いつ、どれを選べばいいですか?
場面ごとの選び方を、公的機関の目安で整理します。
| 場面 | 選ぶもの | 根拠 |
|---|---|---|
| ふだんの生活 | 水・お茶 | 環境省: 飲料として1日あたり1.2Lが目安 |
| 汗が少ない運動 | 水・お茶でもよい | 環境省: 塩分を含む飲料を勧めるのは大量に汗をかく場合 |
| 汗を多くかく運動・長時間の運動 | スポーツドリンク | 環境省・日本スポーツ協会: 食塩0.1〜0.2%を含む飲料 |
| 医師に脱水状態と言われたとき(感染性胃腸炎など) | 経口補水液 | 消費者庁: 医師や管理栄養士の指導に沿って使う。熱中症が疑われるときは医療機関・救急へ |
量の目安は、運動による体重の減少を2%以内に抑えることです。体重50kgの人なら、練習後の減少が1kg以内に収まればよい計算になります。日本スポーツ協会によると、1時間前後の運動なら、のどの渇きに応じて飲むだけでも2%以内に収まります。長時間や強度の高い運動では、のどの渇きに頼らず計画的に飲む必要があります。目安は、暑い環境で15〜20分ごとに150〜250mLです。
汗の量は人によって大きく違います。アメリカスポーツ医学会(ACSM)も、汗の量と汗に含まれる電解質には個人差が大きいとして、運動前後の体重から自分の汗の量を見積もるよう勧めています。
電解質パウダーやタブレットはどう選べばいいですか?
水に溶かすタイプの粉末やタブレットは、溶かす水の量で濃さが変わります。糖質の量も製品ごとに違うので、あわせて表示を確かめます。栄養成分表示ではナトリウムを「食塩相当量」で書くことが義務になっているので、その数字で計算できます。
計算は「1回分の食塩相当量÷作る量(mL)×100」です。たとえば、1回分の食塩相当量が0.5gで、500mLに溶かすなら100mLあたり0.1gになります。この値が0.1〜0.2gの範囲に入るかを確かめてください。
欠点もあります。 規定より少ない水に溶かすと、濃くなりすぎて塩分や糖分のとりすぎになります。溶かす手間がかかり、運動中に作り直すのも不便です。成分は製品ごとに大きく違うため、買う前に表示を確認してください。
ハイロックスではどこで効きますか?
ハイロックス(HYROX)は屋内で行うフィットネスレースです。完走までの平均は、オープン部門のシングルで男性約1時間35分、女性約1時間50分です(HyroxDataLab による第三者の集計)。1時間前後を大きく超えるため、本サイトは日本スポーツ協会のいう「計画的に飲む」運動にあたると考えます。
本番の補給はルールで決まっています。水はロクスゾーンを通るたびに最低1回提供され、スポーツドリンク等が出ることもあります。自分の飲み物を持つ手段として許可リストにあるのはハイドレーションパックで、スタートからフィニッシュまで自分で持ち続けます。
練習では、1時間を超えるメニューの前後に体重を量り、汗の量を確かめておくと本番の目安になります。初めての飲み物を本番で試さないのは補給食と同じです。当日の補給とペナルティはハイロックス当日の補給食とサプリ戦略、持ち物の全体はハイロックス初出場の持ち物チェックリスト完全版で扱っています。
注意点・向かない人・限界は?
塩分やカリウムを制限されている人。 医師から塩分やカリウムの制限を指示されている人は、電解質飲料を飲む前に医師に相談してください。消費者庁も経口補水液について同じ注意を求めています。
糖分のとりすぎ。 環境省は、スポーツ飲料には500mLのペットボトル1本に糖分30g以上を含むものもあるとして、飲みすぎに注意を促しています。運動しない日に習慣で飲むものではありません。
水の飲みすぎ。 環境省と日本スポーツ協会は、長時間の運動で水をとりすぎると、血液中のナトリウム濃度が下がる低ナトリウム血症が起きることがあると注意しています。日本スポーツ協会が紹介する事故の例では、いずれもレース後に体重が増えていました。運動前より体重が増えるほどは飲まないようにしてください。
この記事の限界。 本記事は飲み物の選び方を扱い、電解質の異常などの病気の説明や治療は扱いません。体調に異変があるときは、飲み物で様子を見ずに医療機関に相談してください。
よくある質問
Q1: 運動中は水だけではだめですか?
A: 汗が少ない運動なら、水やお茶でも構いません。汗を多くかく運動や長時間の運動では、環境省と日本スポーツ協会は塩分を含む飲料を勧めています。
Q2: 経口補水液を運動中のドリンク代わりにしてもいいですか?
A: 本サイトは勧めません。消費者庁は、脱水状態でない人が日常の水分補給として飲むものではないとしています。運動中はスポーツドリンクを基本にしてください。
Q3: スポーツドリンクを水で薄めてもいいですか?
A: 薄めると、糖質と一緒に食塩も同じ割合で薄まります。表示の食塩相当量から計算して、100mLあたり0.1g以上が残るかを確かめてください。
Q4: お茶で水分補給してもいいですか?
A: 環境省は、ふだんの水分補給にはお茶等でよいとしています。汗を多くかく運動では、塩分を含む飲料に切り替えてください。
Q5: 冷たい飲み物のほうがいいですか?
A: 環境省は、飲料は5〜15℃で吸収がよく、体を冷やす効果も大きいとしています。飲みやすい温度で、こまめに飲むのが基本です。
Q6: ハイロックス当日に自分の電解質ドリンクを持って走れますか?
A: 許可リストにあるハイドレーションパックなら持てます。ただしスタートからフィニッシュまで自分で背負い続け、途中で人から受け取ることはできません。
まとめ
汗を多くかく運動では、食塩0.1〜0.2%・糖質4〜8%のスポーツドリンクが電解質補給の基本です。ふだんは水やお茶で足ります。経口補水液は脱水状態のための食品で、日常的に飲むものではありません。電解質パウダーは、表示の食塩相当量から100mLあたりの濃さを計算して使います。
ハイロックスの練習では、体重の変化で自分の汗の量を知っておくと本番の補給を組みやすくなります。当日の補給はハイロックス当日の補給食とサプリ戦略、持ち物はハイロックス初出場の持ち物チェックリスト完全版で確認してください。
※本サイトはハイロックス(HYROX)の非公式のファンサイトです。HYROXおよび関連する名称・ロゴは HYROX World GmbH の商標であり、本サイトは同社およびその関連会社とは一切関係がありません。大会日程・ルール・料金は変更される場合があります。最新かつ正確な情報は公式サイトをご確認ください。
※本記事は医療・健康上の助言ではありません。持病のある方、体調に不安のある方は医師に相談のうえ運動してください。記載の量・濃度は一般的な目安で、個人の状態に応じた処方ではありません。
※本記事は次の資料に基づきます(2026年10月18日確認)。平均完走タイムは HyroxDataLab による公開リザルトの第三者集計で、HYROX公式が発表した数値ではありません。
- 食塩0.1〜0.2%・ナトリウム40〜80mg/100mL、体重減少2%以内、1日1.2L、糖分30g以上の飲料、5〜15℃、低ナトリウム血症: 環境省「熱中症環境保健マニュアル2022」(p.33、p.47ほか)
- 糖質4〜8%、汗の塩分濃度、のどの渇きと2%、15〜20分ごと150〜250mL、汗の量の計算: 日本スポーツ協会「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」第6版(p.37〜43)
- 経口補水液の基準と注意: 消費者庁「経口補水液ってなに?」
- 脱水でない状態で大量に飲んだ場合のナトリウムのとりすぎ: 消費者庁 特別用途食品の許可等に関する委員会 資料(2023年1月20日)
- 食塩相当量の表示と換算式: 消費者庁「栄養成分表示について」
- 汗の個人差と体重による見積もり: ACSM Position Stand: Exercise and Fluid Replacement(2007)
- 給水と持ち物のルール: HYROX SINGLE RULEBOOK 26/27
- 平均完走タイム: HyroxDataLab: What is a Good HYROX Time
